多くの人に圧倒的な笑顔を残して駆け抜けていった武地秀実さん。
生前、彼女の周りにいた多くの人たちが「何かしたい!」と、それぞれの場でさまざまなことを企画していたりする。
先日、発行され販売が始まっていた絵本『えべっさま物語』が、今回は朗読劇になるということでプレのお披露目会に参加してきた。
本番は2部構成で2026年2月1日(日)に神社会館で行われる予定!
朗読劇『えべっさま物語』の世界
武地さんが病床で最後の力を注いだという絵本『えべっさま物語』が、今度は朗読劇になるという。
来年の本番を前に「プレ」として開始された現場に行ってきた。
武地さんの描いた絵本の世界には、さまざまなメッセージが込められていると感じながら何度も読んだが、今回、音楽も含めた朗読の空間に身を置いてみて改めて自分が読む風景とは違った感覚を体験することができた。
出演者は朗読の鈴木彰紀さんと今安琴奈さん。そしてピアノの今安志保さん、尺八の松本風学さん。
音楽が加わりプロの圧倒的な声量の朗読を聞いていると、文字を目で追って読む世界とは全く違う圧倒的な世界が広がる。
生前の武地さんと親交があり、武地さんの残した足跡、武地さんが蒔いた種を大切に育てたいと願う人たちが様々なご縁で改めてつながり広がっていく様をみるのは本当に楽しい!!

今回は、演奏中の尺八奏者/松本風学さんが途中で竹製の尺八から金属製の尺八に持ち替えられたのにはとても驚いた。
世界で初めてのマグネシュウム合金の尺八は、今年の大阪関西万博で初お披露目だったという楽器。
武地さんのおかげで、また新しい世界を教えていただいた。
本番の朗読劇『えべっさま物語』は、来年2月1日(日)西宮神社会館で予定されている。

世界初!金属製の尺八が誕生
演奏中に驚いた金属製の尺八は、尼崎の航空機部品などを造るゼロ精工➡︎が5年をかけて開発したものだという。
尺八というのは、保管等がとても難しい楽器。湿度などの影響で、竹が割れることがある。
「初めてお話を受けたのが、ちょうどコロナ禍の頃でした。最初はアルミニュームで作れないかというお話しでしたが、重さが問題になりました。プロの奏者が長い時間演じるとなると重過ぎた。弊社は航空機の部品を作っていますので、計量を考えるならマグネシウム合金しかないだろう!ということになりました。」と、この日会場に来られていたゼロ精工の佐藤雅弘社長。

コロナ禍で会社の業務が少なくなっていた時期でもあったこともあり、金属製の尺八開発に取り組むことになったという。
航空機の部品を造る傍ら、その技術を活かしたステーショナリーグッズも展開していたこともあり、そのデザインを担当しているデライトラボの金指博文さん(プロダクトデザイナー)とのタッグで5年間でバージョン8の製品が『心妙』と名付けられ、世界で初めてのマグネシウム合金の尺八が誕生した。
金管の尺八のお披露目演奏は9月27日。大阪関西万博での松本風学さんの演奏だった。

「完成までにこんなに時間がかかるとは思っていませんでしたが、フルートが今のような金管になったのが、1867年のパリ万国博覧会で、その後、その金属製のフルートが現在のフルートのモデルになったんだ!という話を聞いた時、この開発プロジェクトに力が入りました!!」と話してくださったのがデザイン面で支えた金指博文さん。
持ち前の笑顔でたくさんの人を繋いでいった武地さんを偲ぶ会で、こうしてまた新しいつながりを見つけた。
武地秀実さんの紹介と絵本『えべっさま物語』
武地さんが最後の病床で力を注いで書き上げた『えべっさま物語』。
絵本として完成するまでの話などは、下記の記事からご覧ください!!



























