西宮市は、世界中にファンを持つアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の聖地。
そして、作中に出てくる高校生の主人公たちが通うのが『北高』となっていて、県立西宮北高校がそのモデル。
そしてここは、原作者・谷川流氏が卒業された高校でもある。
涼宮ハルヒの憂鬱がアニメになって、来年4月でちょうど20周年。
とても古い作品だが、今も新しいファンをどんどん増やし、海外からのファンも含めて大勢を魅了し、聖地巡礼として西宮を訪れる人は後を絶たない。
この作品が20年も新しいファンを巻き込み続けている大きな要因の一つは、まさに谷川さんの原作の力だと思う。
しかしモデルとなっている兵庫県立西宮北高校は、近くの兵庫県立甲山高校との統合が決まり2027年4月からは兵庫県立西宮苦楽園高校という校名になって、校舎は現在の北高が使われるものの、校名は変わることになる。
そんな状況の中で、今回、1日限りのファン向けオープンハイスクールが開催され、幸運な1000名のファンが兵庫県立西宮北高校(兵庫県立西宮苦楽園高校)を訪れた。
この日をハルヒも祝福してくれていたのだろう、小春日和の実にいいお天気に恵まれた!!
北高OPEN★HIGH SCHOOL概要
兵庫県立西宮北・兵庫県立西宮苦楽園高等学校長からのメッセージ
今回のこの企画の発案は、校長先生だったという。
涼宮ハルヒを題材に、生徒の探究的な学びや地域に貢献できる教育的活動できないか??ということから話が進み、苦楽園高校の文理探究科の生徒たちが今回の企画の中心になったようだ。
イベント前日に発表された校長からのメッセージは、瞬く間にSNSで拡散されていった。

事前に公開された北高内のマップ

ここは山の上の傾斜地に校舎が建てられているので、渡り廊下を通るたびに階数表示が変わり、ともすれば迷子になる。
校舎内の立入禁止区域にはテープが貼られていたが、誰一人ルールを破る人もなく最後まで綺麗なままのテープであったことは、この日参加したファンの「聖地への敬意!そして企画してくださった関係者への感謝!」の表れだったと思う。

1日で1000人の参加者は、朝9時から2時間ごとに区切られた4コマ(各回250名)で解放された。
校舎内ですれ違う人たちの中には、校内マップをプリントアウトして回ったところをチェックしながらの姿も見かけた。
大勢のボランティアと生徒たちの企画
北高までの道路には『➡︎の道順表示』がたくさん掲出され、夙川駅やバス停、主要な辻にはスタッフによる誘導があった。
「バスが混むから、早めに行って歩こう!」などというSNSでの投稿も多くあり、「歩いてきました!」と汗を拭きながら話してくれた参加者も多かった。

海外からの参加者の姿も思っていたより多かった!
ただやはり夙川駅からバス利用の参加者も多かったようで「阪急バスの苦楽園5番町バス停で降りるルートを教えてもらえて助かりました!!」という参加者にも出会った。
参加者が受付の運動場から上がってきた時、そして2時間の見学時間が終わって下校する時、いずれも生徒さんたちの元気なあいさつの声には「参加者に楽しんでもらいたい!」という気持ちが詰まっていた。
今回の企画の発案は校長先生だったようだが、具体的な計画は苦楽園高校の文理探究科の生徒たちが探究学習の一環として取り組んだ。




校内にはさまざまなポスターなどもあったが、どこまでが日常でどこからがこの日の企画だったのかわからないことも多かった。
ただ、お陰で大いに楽しく校内を回れた!!
部室の再現/吹奏楽部の楽曲演奏/素敵な校内放送
中館4階の教室に再現されていた部室の再現には、ファンも大喜びだった。


各回の2時間の開放時間終了前には、4階の音楽室前からハルヒに関係する楽曲が流れてきた。
下校が名残惜しくて西門前に屯する参加者は、思い思いに4階を見上げて拍手を送っていた。
一番心配された各回の参加者の入れ替えも、ルールを尊重するファンのおかげで、トラブルなくスムーズな入れ替えであったことは、関係者からも称賛の言葉が多く聞かれた。
「下校時間まであと○○分です!」という生徒の放送を耳にしてとてもほっこりした。
おまけに「最後の10分は校内清掃の時間。校内美化にご協力よろしく!」というフレーズを聞いて、近くにゴミが落ちていないか??と見回したのは、きっと私だけではなかったのではないかと思う。
また事前に参加者の国籍が把握できていたのだろうか?校内放送が日本語だけでなく、その回によって英語や中国語でされていたことも素敵な配慮だと思った。
生徒たちの大切な教育の場を開放し、生徒たちが自ら考えた細かい配慮が散りばめられた企画。
そして、関係者への感謝の気持ちを持っていた参加者!!
改めて「ハルヒファンってサイコー!!」と思った。

写真で辿るイベント
ランダムになるが、当日、撮影した写真を公開しておこうと思う。
作品を知らない方には「何のこと?!」ということになるかもしれないが、学校内だけでなく作中に出てくる西宮市内の風景もあるので、チャンスがあれば是非一度作品を鑑賞してみてほしい!!















かつて、ここにあったゲンコツホテル(通称)の記憶を残すために、第14回
卒業生が寄贈した







ただ電波の問題か??成功しないこともあり、ひきこもごもだった。









右手の園芸店も閉店となり、すっかり景色は変わった。

参加者の声
4階のハルヒ教室で写真撮影サービスをされていたPTA会長の篠田さんにお聞きした。
「みなさんが喜んでくださることでしたら、何でもやりますよ!!私の息子が野球部なので、練習試合も含めて私が一番学校に来ている親だと思ってます。ただ、今回、この企画がきっかけで学校そのもののことをたくさん知れました^_−☆ 生徒さんたちがとても熱心に真面目にこの企画に取り組まれている姿を見せていただいて、本当に嬉しかったですね。そしてこうしてたくさんのファンの方に来ていただけて、喜んでいただけて嬉しい1日です。」

大好評で、いつも列ができていた。
出会った中国上海からの3人組は「こんなチャンス、絶対来るべきでしょう!!」と、フィギアなども持ち込んいた。きっと全力で楽しんだことだろう。
関東からの参加者も多かったようだが、仙台から始発できた!!という方にも出会った。
「日頃から、ハルヒ関連のXから色々情報が流れてきますが、今回はラッキーでしたね!もう少し遅ければ締め切りになっていたようなので・・・・」と。
「田口(田口壮さん・・・現在は西宮市の教育委員)と同期なんです!」と言いながら、当時と変わった事などをお話しいただいた卒業生もおられた。
多くの参加者から「夢みたい!「感謝してます!」という言葉を聞き、「いろんなお話もできて、思っていたより楽しいです!」というスタッフの生徒さんたちの感想もお聞きしたが、本当に気持ちのいいイベントだった。
まさに、校長先生のメッセージにあった「三方よし」になったのではないか思った。
何より担当の上内先生とも何度か出会ったが、とてもゆったりしたお顔をされていたのが印象的だった。
県立高校が「聖地開放!」としてオープンにする日が来るなんて、西宮流を初めて18年、思ってもみなかったことが起きたが、快晴の秋の日のイベントの大成功を嬉しく見守らせていただいた。
北高開放が決まった時の記事
北高卒業生の目から見たイベントレポート
「北高・オープンハイスクール」#1
北高校の「北高・オープンハイスクール キョン!初公開よ!急ぎなさい」に参加しました。
私は北高OBで、当時は東中学の近くに住んでいて、光陽園学院の横を通って通学していました。今回は、「キョン」の入学式の足跡をたどって、「北高」に登校してみました。
光陽園の駅前は静かで、オープンスクールのざわめきは特にありません。ガードマンがいましたが、これはいつものことなのでしょう。

そこからキョンにしたがって階段を上がります。途中にある休憩用の椅子も今も健在です。もちろん代替わりはしています。

階段を上がると「北高・オープンハイスクール This way」の矢印。
ありがたいです。初めての通学路なので。

少し行くと交差点。北高・オープンハイスクールのスタッフの方が道案内をしてくれます。これまたありがたいです。この交差点を間違えると、とんでもないことになります。「こちらの道をまっすぐ行って、信号を右折です」、案内に従い、真っすぐ進み、右折します。
「銀水橋」を渡って、祝川短大前へ。「キョン」の入学時は短大もあり、桜が舞っていましたが、今はその面影もなく、剥き出しの山肌です。今回の通学路で大きく変わったところでしょう。


いくつかの「This way」の矢印に従って、最後の矢印。そう、ここを曲がると「ハルヒ坂」です。高校生の時は3年間、毎日毎日ここを登って通学していました。歳には勝てないのか、ハーハー言いながら登ると正門。そして振り返ると懐かしい風景。



正門の中には大きな看板「聖地開放」。ここに来て「聖地」という言葉が登場します。

By 我
「北高・オープンハイスクール」#2
正門から登校してきた参加者は受付を済ませて列に並びます。かなりの長さです。担当生徒からの注意を聞いて、整然と動き出します。受付スタッフの生徒さんの拍手でのお見送りで、参加者は校舎へ。

校内は学生スタッフさんが気持ちいいくらいおもてなししてくれています。「こんにちわ」と明るい挨拶。タイムテーブルに合わせてチャイムと放送。この放送が「学校放送らしい放送」です。しかも英語、中国語付き。
まずは校舎内を散策。いくつかの教室が解放されています。
本館4階、キョンの教室。窓側後ろ、掃除箱の前の席に座って写真撮影。スタッフの方がカメラを操作してくれます。参加者はそれぞれ思いのポーズをしながら撮影してもらいます。

窓の外は、アニメで描かれていたプールが見えます。
中館4階、部室棟。アニメの世界の文芸部ことSOS団の部室を再現。オセロにトランプ、花札、PC、ラジカセ、冷蔵庫。再現性が高いです。

体育館。本当はパイプ椅子が並んでいてほしかったのですが、流石に出し入れが大変だったのでしょう.

一通り校舎の中を見たら、今度は外へ。ほぼ1時間すると校内放送で内外の入れ替わりの指示。
混乱することもなく、参加者は入れ替わっていきます。
外では螺旋階段を上がって、そこから天文台ドームを眺めます。


キッチンカーが来ていたので、唐揚げ丼を買って「げんこつ広場」のテーブルに座ってお昼ご飯。

最後には「清掃の時間です」という放送。参加者も生徒に戻ったつもりで掃除して下校していきます。
By 我























