今から20年ほど前、テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が放送された。
原作はスニーカー文庫(角川書店)から出版されたライトノベルで作者は兵庫県立西宮北高校・関西学院大学卒の谷川流氏。
アニメになる前、ライトノベルを読んでいても、西宮市を知っている人にとっては「この小説の舞台は西宮市だよね?!」と言われていた作品。
その作品が、テレビアニメとして放送され、リアルに描かれた背景(風景)を見たファンは「やっぱり、西宮だ!!あそこだ〜!!」と盛り上がった。
大人気となったこの作品のファンが西宮を訪れ、アニメに出てきた背景の写真を撮って回った。
そう!この涼宮ハルヒのファンの行動が、聖地巡礼の先駆けとも言われている。
ストーリーとキャラクターの魅力に加え、時系列をあえてシャッフルした放送やエンディングテーマに合わせ実際に「踊ってみた」と動画投稿するブームを起こすなど話題となったアニメ放送の開始から来年で20年となる。記念の年を大いに盛り上げようとプロジェクトが始動している。
ライトノベルの金字塔「涼宮ハルヒの憂鬱」
作品を一言で言うと、涼宮ハルヒが団長を務め、ハルヒに集められた仲間(宇宙人、未来人、超能力者含む)とともにSOS団として巻き起こす「学園SF物語」。
2003年の刊行から20年以上が経った今も10代、20代のファンを魅了し続けているのは、SF作品としても評価の高い谷川流氏のストーリの面白さからだろう。
いとうのいぢ氏のイラストも印象的な涼宮ハルヒシリーズは海外でも人気で、多くの言語に翻訳されており、2017年12月時点で全世界シリーズ累計発行部数は2000万部を突破している。(Wikipediaより)

2019年には角川文庫からも発売され、筒井康隆氏らの解説も話題となった。2024年秋には13巻目の「涼宮ハルヒの劇場」が発売されている。
【追記(朗報!)】「涼宮ハルヒの憂鬱」は2025年10月30日、奥付表記で「100版」となる記念すべき版が発行された。刊行から22年を経て100版に到達したことは、本作がジャンルを超えて長く読み継がれてきた作品であることを示している。
新刊発売直後に発表された新楽曲&MV制作のためのクラウドファンディングプロジェクトでは、2ヶ月の間に目標金額1000万円を大幅に上回る8600万円もの支援を集め、今は新しい楽曲やミュージックビデオやグッズが次々と発表されている。
ファンの支援から生まれた新楽曲『無敵的ハピネス!』のミュージックビデオ
【TVアニメ放送20周年記念】「涼宮ハルヒの御礼」プロジェクト始動
テレビアニメの方も2026年が放送20周年を迎える。この記念すべき節目に、KADOKAWAはこれまでシリーズを支えてくれたファンへの感謝を込めて「涼宮ハルヒの御礼」プロジェクトを始動した。
【TVアニメ放送20周年記念】「涼宮ハルヒの御礼」公式サイト
“©Nagaru Tanigawa, Noizi Ito/KADOKAWA
©2007、2008、2009 谷川 流・いとういのぢ/SOS団
©2009 Nagaru Tanigawa・Noizi Ito/SOS団”
またこのプロジェクト始動に寄せて、原作者の谷川流氏からのコメントも掲載されており、時系列を無視したテレビ放送で話題になった当時のアニメ制作の裏側にも言及されており、読み応えがある。
『ハルヒの御礼』プロジェクトの続きが楽しみだ!!公式サイトをこまめにチェックしよう!
劇場版『涼宮ハルヒの消失』リバイバル上映
プロジェクトの第1弾として、劇場版『涼宮ハルヒの消失』のリバイバル上映が発表された。
劇場版『涼宮ハルヒの消失』は2010年に上映されたアニメ。2時間40分を超える長編だ。筆者もガーデンズのTOHOシネマズに駆けつけたが、大きなスクリーンに映える美しい映像とキャラクターの演技(動きが細やか!)や声優の迫力に感動した。
京都アニメーションが手がけた映像は美しく、エリック・サティの『ジムノペディ』など映像に溶け込む選曲も心に響く。監督は武本康弘氏である。
京都アニメーションで発生した痛ましい事件により、武本監督をはじめ多くのスタッフが亡くなった。数多くの才能が失われたことは、今なお悔やまれてならない。
ここにあらためて哀悼の意を表する。
世界が改変されてしまったという設定の物語は、SOS団が消失してしまった時空に取り残されたキョンが、元の世界を取り戻そうとする12月18日から25日までの話になっている。
作中で「世界改変」が起こった時刻:12月18日午前4時23分に『涼宮ハルヒの憂鬱』公式サイトが消失するという演出が行われてきた。(今年はあるのかな)
またその時間に、ハルヒ坂(県立西宮北高校正門前の坂)に集まるファンもいる。
【ハルヒ坂に集まるファンにお願い】
周辺は静かな住宅地で、近くにコンビニなどの店も無い場所です。
また一般の公道ですので、近所迷惑にならないように、十分お気をつけください。
また、寒い時期なので個人で万全な準備をされることもお願いします。
リバイバル上映の概要
近畿地方では5館で上映される予定だが、阪急西宮ガーデンズのTOHOでも上映される。
ムビチケのみのオンラインでの前売り販売となっている。
特典付き前売り券の購入はこちらから➡︎
上映時期は、2026年2月6日から2週間限定。

チケット販売に合わせて、新規制作された予告映像が公開されている。
ほんの短い予告映像だが、その中に出てくるクラス名簿の住所などにもぜひ注目してみて欲しい。冒頭から31秒目あたり。一瞬なので、動画を止めて見てね!その他にも地元の人なら見覚えのある風景も登場するのでお見逃し無く。
消失した風景(甲陽園駅から獅子ヶ口バス停あたり)
ここにアニメのシーンを載せることができないので、作品を知らない方には「何のこと?」になるかもしれないが、ここに挙げた写真がそのままアニメの背景になっていると思いながら読んでいただけたら嬉しい。
2010年に上映された劇場版『涼宮ハルヒの消失』の背景には、当時の西宮の風景がたくさん出てくる。
とはいえ、これだけ時間が経過すると舞台となる街の様子も大きく変わる。
まさに消失した景色も多い。
久しぶりに甲陽園駅から獅子ヶ口までを歩いてみた!!
作中では学校の最寄り駅となっている光陽園(甲陽園)駅から、光陽園学院として出てくる夙川学院の跡地あたりは大きく変わっていて、改変された世界に入り込んだキョンのような気がした。

テントの色が当時の黄色から青に変わっている。
2003年に近畿の駅百選に選ばれた趣は今も残っている。

電動自転車なので聖地巡礼の強い味方かも・・・




今では水路も暗渠になっている。

この先には、キョンが利用する駐輪場がある。


途中「甲陽園若江公園」からの視線を感じて寄り道^_−☆




以前は「夙川学院中高前」今は「甲陽園若江町」


作中の東中のモデルの学校の裏門はここを渡って向こう側になる
交通量が多いので気をつけて!

作中で「光陽園学院高校」として出てきた夙川学院は、2021年閉校となり跡地が宅地開発された。

この頃はまだ幼稚園だけは残っていたようだ




今はヘリーハンセンのショップになっている。


ここもいろいろ変わったが、今は音羽寿司

作中の東中は踏切を渡って線路沿いに少し歩く。
(交通量が多いので気をつけて!)

夙川学院のグラウンドも全て住宅地となっている。
グラウンド沿いにあったたくさんのユーカリの木が2本だけ残っている。
左手の坂道を登っていくとキョンたちの通学路。
このほかで消失した風景を少し・・・

ポットの絵が書かれた看板が、今は無くなっている
オーナーさんには「復活したら、ファンが大喜びですよ!」とお伝えしたら
「考えてみようかしら・・・」とおっしゃってくださっていたけど、どうなるでしょう?

バス停の少し先の元夙川短大のところは開発が始まるとか・・・
それに先立って、今は歩道拡張の工事中!


見かけたら記念に写真撮ってね!!

体育館と陸上競技場の建て替え計画だが、遺跡があることがわかって
その工事も中断中。
聖地の県立西宮北高校が学校開放!
2025年11月23日(日)、県立西宮北高校(県立西宮苦楽園高校)に事前申し込みした1000人のハルヒファンが集まった。

1日限りのファン向けオープンハイスクールは、学校の勉学の一環として生徒たちが中心となって企画された。
2時間毎の入れ替え制とし、一回に250人を受け入れる。
諸注意の進行も全て生徒たち!!
参加したファンからは、そのおもてなしの心に多くの賛辞が送られた。
当日の様子は、下記のレポートから!!
『涼宮ハルヒの憂鬱』と西宮
原作者が西宮出身と言うことで、「涼宮ハルヒの憂鬱」には「北口(きたぐち)」「北高(きたこう)」「光陽園(こうようえん)」「祝川(しゅくがわ)」などと、西宮市民にとっては耳馴染みの地名が並んでいる。
2006年にアニメになったときには谷川流さんご自身がロケハンされたといい、西宮の風景がそのままアニメの背景となっていた。
しかし公式には作品の舞台はあくまで架空の場所とされていて、西宮が聖地と謳うことはできなかった。潮目が変わったのが、2018年。アニメツーリズム協会(2016年設立)が『訪れてみたい 日本のアニメ聖地88』のファン投票を行うようになって、2019年版に「涼宮ハルヒの憂鬱」の聖地として西宮市が認定された。

現在は、西宮北口のアクタ西宮東館にある北口図書館内に飾られている。
図書館内は写真撮影禁止だが、このエリアのみOKとなっている。
ただし、人が写り込まないように注意!
「涼宮ハルヒの憂鬱」とそのシリーズ13巻は、世界15カ国語でも読まれている作品で世界中に熱いファンを持つ。
西宮には多くのファンがこの20年途切れることなく訪れている。
海外からの訪問客も多く、西宮北口の珈琲屋ドリーム(SOS団が集まる喫茶店のモデル)やららぽーと甲子園の西宮市情報発信スペース/クリエートにしのみやに置かれているファンノートには、熱いメッセージが書き込まれている。
こうした熱いファンに応えられるような「ありがとうメッセージ」のようなものが、来年のテレビアニメ放送20周年に向けて西宮市からも発信できればいいなあと思う!!























