西宮神社の赤門の両側に続く大練塀(おおねりべい)は、国の重要指定文化財にも指定されている総全長約247mの壁で、日本三大練塀の一つです。
阪神淡路大震災で被害を受け修復していましたが、劣化が目立つようになり令和元年から修復計画が立てられ、令和3年12月に完了していた。
この練塀の修復には、古来からの塀建築の特別な技法である「版築工法」で行われた。
板で枠を作り、石灰やにがりなどを加えた練り土を一層ずつ突き棒などで固めていく作業で行われた修復作業が、今回ジオラマとなって神社のえびす資料展示室で紹介されている。
1952年の修復時には、練り土の中から古銭が8枚見つかり、練塀は室町時代初期~中期にかけて築造されたと推測されていた。(出て来た古銭:元佑通宝・洪武通宝)
この工法の練塀は、中国の乾燥地帯では2000年前のものが残っていたりするが、雨の多い日本には実は適していないという。
今回の修復は東側の約70mで行われたが、水対策として足元に排水溝を設けたり、屋根に雨どいもつけたという。
現在、えびす信仰資料室では版築工法の模型が置かれ、詳しい説明が見られる。
また、江戸時代の神社の境内のジオラマもあり現代との違いなども楽しめる。*