越水の地名の由来とも言われている小清水が湧いている場所が桜谷町にある。
地元では今でも大切に守られている井戸で、以前は東井(ひがしんじょ)、中井(中んじょ)、西井(にしんじょ)と三つあったようだが、マンション建設時に中井(中んじょ)は埋めたてられ、今は二つだけになっている。
西井(にしんじょ)も、道路拡張によって昔の5分の1程度になっているという。
この井戸を長らく守って来られた地元の小濱富男(こはまとみお) さんに、西井の扉を開けていただくと、長方形の水槽に透明な水が満々と満ちていた。寒い冬に手を入れると暖かく感じるその水は、まさに湧き水。
宮水の源流の一つとも言われているようで、宮水を管理されている方が年に何度か水質検査にも来ておられるという。
「阪神大震災の後、なぜか水が白く濁ったんです。ですから飲み水には使えませんでしたが、ご近所の方には洗濯など便利に使っていただきました。」と小濱さん。
越水町はかつて「越水城」があった場所で、現在の城山町周辺に城があったとされている。
越水城があった頃にはこの辺りを西国街道が通っており、きっとこの清水は旅人の喉も潤したのだろう。