西宮のランドマークといえば、はやはり甲山だろう。
高さ309mの甲山は、「みわくの山」と呼んで高さを覚える。
西宮の南部地域からは、あちこちから見え、旅行から帰ってきて、甲山が目に入ると「ああ!帰ってきた。」と思う人も多い。
実は、この甲山は『航行目標保安林』>>に指定されている。
古くは、頼山陽>>が故郷の竹原に帰る道すがらで甲山を読んだ漢詩が、甲山森林公園に設置されている。
丸いポコッとした山の形は印象的なようで、古くは『ビスマルク山』と呼ばれたり、村上春樹の小説の中でも『お椀山』という名前で出てくる。
<甲山の成り立ち>
約300万年前、甲山一帯はゆっくりと沈みはじめ、九州から瀬戸内海、大阪平野を経て伊勢湾のあたりまでがひと続きの巨大な湖となった。
こうした時代は200万年近く続いたと見られ、その間に周囲の山々から多くの土砂や泥が堆積して「大阪層群」と呼ばれる地層ができた。
約50~60万年前、日本列島は各地で激しい地殻変動があり、近畿地方にも周囲から強い圧縮の力が加わり、周囲から挟みこまれて押しだされるように六甲山が盛り上がり、甲山も引きずられるように高くなった。
この時、逆に沈み込んでできたのが大阪湾。
(エココミュニティ情報掲示板より>>
山頂からは弥生時代の銅製の武器などが発見されており、古くから神の山として扱われていたことがわかる。
登山道の一つである神呪寺の登山口には『人皇14代仲哀天皇の皇后神功皇后が国家平安守護のため山頂に如意宝珠及び兜を埋め、後53代淳和天皇の勅願により天長8年10月18日当寺開創大殿落慶、弘法大師左の偈を残し給うと伝ふ』と書かれている。
頂上広場の一角に309.2m二等三角点(点名:甲山)があり、ケルンが積まれている。
また、昭和30年代に西宮市連合婦人会が建てた「平和塔」がある。
除幕式の時の様子が、西宮市のデジタルアーカイブに保存されている。➡︎