酒ミュージアム夏季展は袱紗と酒と桜!

白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)の夏季展示が始まりました。
贈答という生活習慣に関連した「掛袱紗(かけふくさ)」の展示をメインに、世界の酒に
関する展示、「西宮市笹部さくらコレクション」に関する展示、と3種類の内容です。
夏休み期間中ということで、子ども向けの企画も開催されます。

掛袱紗 文様がつなぐこころ

掛袱紗(かけふくさ)とは、広蓋(ひろぶた・四角い盆状の器)に乗せた贈答品のその上に掛けて用いられた四角い布です。今では見たり使ったりすることはほとんどありませんが、江戸時代後期には一年を通じて様々な贈答の機会に広く使われる生活必需品となっていました。

もともとは贈答品を守るほこり除けとしての布でしたが、相手を大切に思う気持ちを表す手段として、贈答の内容を象徴する意匠を施すようになります。どんな祝事にでも万能に使える松竹梅の文様や「福」「寿」などの文字をあしらったものもありますが、年中行事や祝事それぞれを象徴するふさわしい意匠というものがあります。 
たとえば五節句の行事で御馳走を詰めた重箱に掛けるなら、正月・上巳(3/3)・端午(5/5)・七夕(7/7)・重陽(9/9)ではそれぞれの行事や季節に適した意匠を使用するのがよく、5枚で1セットに作られたものが展示されていました(下画像の台上の5枚・右が正月)。
また、贈答品をきちんと覆い隠す大きさが必要なため、大(70cm)中(50cm)小(35cm)ぐらいのサイズ感で意匠の揃ったセットで用意しておく必要もありました。

宝船・松竹梅・三番叟・打出の小槌などのデザインのめでたさ、金糸のつづれ織り・刺繍・染め・絞りなどの手工芸の美しさ、四隅につける飾房(かざりふさ)の形のおもしろさ、など美しい装飾をじっくり見て楽しむことが出来ます。
また関連資料の江戸時代後期に発行された冊子が、どんな時にどんなものを贈ればよいのか悩まないためのマニュアル本というのも、昔も今も変わらないなと面白いです。

2026年7月11日(土) 〜 2026年8月30日(日)
火曜日休館 ※8月11日(火)は臨時開館 ※夏季休館:8月17日(月)~20日(木)
10:00~17:00 (入館は16:30まで)
入館料 一般500円 中・小学生250円 (記念館・酒蔵館の共通チケット)
   ・団体20名様以上は2割引
   ・65才以上400円(要公的証明書)
   ・ココロンカード呈示者は無料
   ・心身に障がいのある方と介助者1名は割引料金(要公的証明書)

同時開催 「世界のお酒サミット」展  「桜×シナジー」展
https://sake-museum.jp/exhibitions/3306/

【掛袱紗展・ミュージアムトーク】
7月18日(土) 14時~14時30分
予約不要・参加費無料(要入館料)
担当学芸員が展示室内を案内しながら、「掛袱紗」展示の見どころを解説。

世界のお酒サミット

白鹿といえば日本酒(清酒)を製造していますが、世界にあるいろいろな酒と比較することによって、清酒の特徴をより知ってもらおうという展示です。今回は清酒の他に、焼酎・ビール・ワイン・ウイスキー・ジンを取り上げ、それぞれの製造方法や日本での製造の歴史などを紹介しています。

もちろん清酒の展示が多めですが、白鹿でも酒粕を使って「粕取焼酎」を作っていたことがあるとか、ビール製造に取り組もうかと試算している明治29年の資料が最近見つかったなど、興味深い資料が展示されていました。
西宮に関係がある酒といえば、今月兵庫県立西宮総合医療センターが開業した場所にあったアサヒビール工場や、その隣にあったニッカウヰスキー工場についても解説がありました。
展示をよく見ればわかる「世界のお酒クイズ」が用意されているので、こどもでも楽しく学ぶことが出来る展示になっています。

【世界のお酒サミット展・ミュージアムトーク】
7月19日(日) 14時~14時30分 
予約不要・参加費無料(要入館料)
担当学芸員が展示室内を案内しながら、「世界のお酒サミット」展示の見どころを解説。

桜×シナジー 植物・鳥・人の可能性

桜博士と呼ばれた笹部新太郎氏は「桜の研究だからとて、桜ばかりの世界はない」(『櫻男行状』)と考え、桜を取り巻く環境についての多角的な研究を行っていました。そのような研究資料の中から、植物・鳥・人とのかかわりをテーマに取り上げたのが今回の展示です。

まず、桜の植樹の際には他の植物との取り合わせが大切だと、カエデなどの樹木やアジサイなどの植物を一緒に植えるということを積極的におこなっています。越水浄水場の整備の時にもそのように手配した記録が展示されていました。
また、それらの樹木には多くの生物が集まってきます。なかでも鳥は、蜜を吸うために花をむしってしまうこともありますが、実を食べて種をあちこちに排泄し植物の多様性をつくるのに大切と考えました。そのため鳥を呼び寄せようと巣箱の研究もしていました。
そして桜、とくにソメイヨシノは病害虫に弱いので、人が手を入れ管理し続けるべきと研究に取り組んでいました。これは桜の老木化が起き始めている今にも考えるべき問題ですね。

【桜×シナジー展・ミュージアムトーク】
7月20日(月・祝) 14時~14時30分 
予約不要・参加費無料(要入館料)
担当学芸員が展示室内を案内しながら、「桜×シナジー」展示の見どころを解説。

酒ミュージアム こどもウィーク

親子で酒ミュージアムをたのしむ「酒ミュージアム こどもウィーク」が開催されます。
酒蔵館内にはこども向けの解説パネルが登場し、期間中には関連イベント
「酒蔵館こどもツアー」も開催されます。 

酒ミュージアム こどもウィーク
2026年8月1日(土)~16日(月) 
火曜日休館 ※8月11日(火)は臨時開館 10:00~17:00 (入館は16:30まで)
一般500円 中・小学生250円 (記念館・酒蔵館の共通チケット)
小学生の入館者全員に酒造道具のオリジナルシール(1人1枚・全4種ランダム)をプレゼント

酒蔵館こどもツアー
2026年8月8日(土)・9日(日)  14:00~14:30 ※両日同内容
小学1年生~6年生対象 ※保護者同伴必須
参加費無料(要入館料)
各日先着10名程度(予約不要・直接酒蔵館へ)
参加の小学生には、酒造道具のオリジナルシールを全種類(4枚)プレゼント

投稿日時 : 2026-07-12 13:00:00

更新日時 : 2026-07-12 12:26:15

この記事の著者

香苗

「ぽっつ君の西宮散歩」と「聞きかじり西宮歴史散歩」をゆる~く担当中。
西宮で見た季節の花を紹介する X(Twitter)も担当していましたが、2025年からサイト内に引っ越しました。

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