2023年3月3日、夙川河川敷緑地 (夙川公園) の片鉾池の西側に、寄贈された桜 (ソメイヨシノ) 1本の植樹が行われました。
桜を寄贈したのは、夙川にあるコワーキングスペース、コワクラさん (運営・サウンズファン株式会社)。運営する「夙川の桜を守るバザー」の売上から寄付を行なったもので、バザーから桜の寄贈が実現したのははじめてのことです。
植樹の様子
朝9時前から、市内の造園業者・丸山造園土木さんが手際よく作業を進めていました。
植樹された桜は今年のうちにいくつか花をつけることもあるそうです。夙川公園内の他の大きな桜ほどに育つまでこれから数十年もかかりますが、将来の様子を想像するとワクワクします。立派に育ってくれますように!
桜の寄贈に至る経緯
コワクラさんでは2021年から「夙川の桜を守るバザー」を運営しています。このバザーでは、収益から運営費を差し引いた分を西宮市緑化基金へ寄付しています。西宮市緑化基金とは、善意の寄付金を積み立て、市内の桜やみどりを守る活動に充てる基金です。
基金はもちろん夙川の桜に対して使われることもあるのですが、できれば、もっと直接的なかたちで夙川の桜に関わりたい、可能なら桜を植えたい、という思いがあったそうです。
ただ、夙川に桜を寄贈しようにもそのための窓口があるわけではなく、今まで実現はしませんでした。
そんなおり、地元・夙川のお知り合いを通じて市議会議員の方に話を聞いてもらう機会が去年の秋ごろにあり、ようやくこの時期、公園への桜の寄付が実現したそうです。
夙川の桜が抱える問題
桜の名所として有名な夙川ですが、最近は衰弱したり枯れたりする桜が増えています。
造園業者さんは
「夙川にかかる橋から眺めてみても、昔に比べて明らかに桜の枝ぶりが減っているのがわかる」
と話していました。
そんな中、西宮市では桜の再生事業を行い、枯れかけた桜の根元に土壌改良を施すなどの処置をしています。しかし、せっかくそうして再生処置を施したのに、花見客がその上に座り込んで台無しにしてしまうことも。
これからも夙川の桜が名所として存続していくためには、市民の理解や協力が進むことが望まれます。
さらなる桜の寄贈へ期待
「夙川の桜を守るバザー」では、来年以降、また次の桜を植えるチャンスを視野に入れているそうです。
このような素敵な取り組みが続いていくことを願っています。そして「夙川の桜を守りたい」という思いに賛同してくれる人がもっと増えたらいいな、と思います。