市内松原町にある松原神社の南側に、旧兵庫縣史蹟「兵庫縣 漢織呉織松 染殿池」という石碑がある。
その喜多向稲荷神社の奥には、織物の祖「織姫大明神」が祀られている。
日本に渡ってきた漢織(アヤハトリ)・呉織(クレハトリ)が糸を染めたという「染殿池」の伝承がある場所。
そんな歴史のある場所の近くにかつて住まわれていた故内田節子さんが作詞作曲された歌『染殿池ものがたり』の存在を知る人は少ない。
細井泰江さんは、そんな数少ない人の一人だが、ご実家のお父様が内田節子さんが作詞作曲された歌『染殿池ものがたり』の楽譜やカセットを持っておられることが分かり、この歌とともに西宮の歴史の一つを今の形に作り直して子供たちに残せないかと考えた。
こんな細井さんの想いに、小学校の1年生からの友人というお二人が協力し、この度『デジタル紙芝居』と『染殿池ものがたり』の動画が完成した。>>
動画の中で歌を歌っているのは、なんと今は海外に住むご友人。
離れ離れで、歌(櫻田うららさん)とピアノ(小竹敦子さん)を合わせるのはなかなか大変だったと言う。
そんな友人2人の努力の横で、細井さんは教育委員会が発行している西宮の民話集をもとに紙芝居の絵を描き、動画用の映像も撮りに回った。
デジタル紙芝居に語りを入れたのは、細井さんが一緒に活動している人形芝居館の武地秀実さん。
動画の中に出てくる様々な西宮の風景、神社や天皇の名前、坂や地形、紙芝居の絵、歌やピアノの音色・・・・・。
この作品を見た方がいろんな視点から興味を持ち、そこから西宮の町や歴史に目を向けてもらえるように工夫したと言う。
動画の編集の師匠は、ご自身の息子さん。
「なかなか厳しい師匠でしたから、何度も撮り直したり、編集し直したり・・・。」と細井さんは笑う。
動画が完成したことで、今は、松原神社や織姫大明神の社には YouTubeに飛ぶQRコードも設置されている。
自宅で動画を見るだけでなく、現場に出かけて昔の景色も思い起こしながら視聴して欲しい。>>
今回のこの動きがきっかけとなり、細井さんが西宮神社の獅子舞復活の活動を一緒にしている人形芝居館に民話部ができたと言う。
きっとこれからも、西宮にたくさんある民話が新しい形で少しずつ蘇っていくことだろう。
そんな活動にご興味ある方は、人形芝居えびす座まで。>>
「染殿池」がある喜多向稲荷神社の境内には、小沢種春の句碑もある。>>
また綾羽・呉羽は、津門綾羽町/津門呉羽町と言う町名として今に残っている。