頑張らないと維持できない社会を変えたい@a little 坂口裕子さん

a little

子育て世代が作り出す地域のコミュニティ作り、助け合いの仕組み作りを目指して10年前に立ち上げたNPO法人 a little。

2年前に、西宮北口の阪急ガーデンズの少し東側に居場所を作った。
公的支援の枠外になるざまざまなメニューを展開しているが、その拠点維持の難しさにも直面している坂口裕子さんに、少しお話しをお聞きしてきた。

NPO法人 A littleとは

地域サポート事業、つどい場事業、学びの場事業、その他他団体との共同企画など、実にさまざまなな事業を展開しながら、子育て支援を行ってきている。

最近は、西宮市未来づくりパートナー事業の助成も受けて『tomoni』という子育てマガジンを仲間と一緒に発行している。
共に歩こう!共に探そう!共に楽しもう!
みんなで少しずつ・・・という坂口さんたちの思いが見えてくる。

制度的には「男性の育児休暇」などもでき、お出かけ時には抱っこ紐をしているパパも昔よりは多く見かけるとはいえ、その内情は殆ど昔と変わってないと坂口さんは言う。

10代の終わりごろから市民活動や環境問題、ジェンダー問題などに関わる環境があった坂口さん。
「あれから30年が過ぎましたが、女性が置かれている環境や女性に刷り込まれている意識から抜けられずあがいている人がまだまだ多いです。30年前と殆ど変わってないなぁーと思う事の方が多いです。」

そんな女性を応援したいと、年間500件にもなる家事育児のサポート訪問もしている。
時には、悲痛なSOSが入ってくる事もあるようだ。

講習を受けた家事サポーターが、その時々のニーズに合わせて食事作りや掃除、時には話し相手になる事も・・・。
やはり、その時の辛い思いを共有できるのは、それを経験した女性なのだろう。

西宮北口にある居場所『リトルハウス』

溢れかえる様々な情報の中で、自分の気持ちをうまく周囲に伝えられなくて捻れた思いがより子育て中の女性を苦しめる状況を作り出したりもしている。

一筋縄では行かない心の葛藤も、家事サポーターとして入ってくださる他人の言葉と接するだけでも、また、何か変わって行ったりもする。 

やはり、いつでも誰でも社会(他者)と繋がることが人にとっては大切なことなのだろう。
そんな窓口がNPO法人 A littleで、そのための拠点を西宮北口に『リトルハウス』という居場所を作った。

8大アレルゲン不使用ランチの週3日のa little cafe

リトルハウスでは、毎週水木金の3日だけ、カフェを開いている。
火曜日・水曜日・木曜日 10:00~15:00
カフェでは、8大アレルゲン不使用の日替わりの野菜たっぷりの手作りランチとリトルカレーがメニュー。

野菜たっぷり!日替わりランチ

ランチのデザートにつく卵不使用の米粉のケーキは、食物アレルギーのある子ども達にとっては、皆んなと同じものが食べれた!という喜びにも繋がっている。

子ども用のおもちゃや絵本も置いてあるカフェスペースは、それまで知らなかった人たちが繋がっていく場にもなっている。
思いのある人たちで作り上げられた場が、そうさせる雰囲気を醸し出しているのかもしれない。

たくさんのボランティアさんと一緒にDYIしたという店内は工夫もいっぱい。
トイレの中に作られたオムツ換え台は、まさに、なんとかこの限られたスペースの集い場を、少しでも有効活用できないか??という、たくさんの人の知恵と努力の集まり集を感じた。

便座の上に工夫して作られたオムツ替え台

食事をしながら、見知らぬ人たちが自然と繋がって行く場。
「週、4日空いているので、アレルゲン不使用食をしている人で、シェアしてくださる方が見つかれば嬉しいです!!」

「お弁当も承りますので、何かイベントのある時は是非お声がけください!!」

野菜もたっぷり!彩りも美しいお弁当
イベント用のまとまった数の注文も受け付けます!!

安心して、ホンネが話せる居場所としての a little house

「ちょっとしたおせっかいが必要だと思うんです。少しうざいかもしれないけど、一人じゃない!って感じられて・・・・。そんな中から、自然とホンネが漏れるんです。」そんな場面をいくつも見て来た坂口さん。

身体にいいものを心を込めて調理されたランチでお腹が満たされるだけでも、気持ちはほぐれていくのだろう。

ここで出会った方が、ボランティアやサポーターになってくださったりして、今では100人以上のボランティアさんもおられる。

ガーデンズより一本東と言う立地は、少し人通りも少ないロケーション。
静かな環境にあるリトルハウスを、一人でも多くの人に知って欲しいと思う。

半径15分以内でSOSが話せる人は?と尋ねると、「ある」と答えた人も家族や親族だったという。

まさに、リトルハウスが、一人でも多くの人のSOSを受け止める居場所でありたい!と奮闘している。

レンタルスペースとしてのa little house

3階建てのリトルハウスは、その3階をレンタルスペースとして貸し出しもしている。

3階は使いやすい二間続きの和室

和室2間続きのスペースはいろいろ使いやすい。
現在は、整体やアロマヘッドスパなどをはじめ、子育て関連の講座なども開催されている。

西宮北口駅からも近いこの場所(田代町10-14)を、あなたも使ってみませんか??

1階のカフェスペース

カフェのない日は、1階もレンタルスペースとして解放している。
cafeは、8大アレルゲン不使用なので同じ思いの方があればシェアできる。

地域の居場所を守るための苦しい台所事情もあるようだが、なんとか自主事業を伸ばしていきたいと考えている。

女性が頑張らないと、自分の思う環境を維持できない社会を変えたい

「実は10年前、リトルを立ち上げた時のメンバーは今は残ってないんです。こういうとなんだか、淋しく感じるさせるかもしれませんが、あの頃のみんなが、形や環境が変わってもみんながそれぞれの場所にいて、リトルに心を寄せてくれています。そんなリトルだからこそ、次々と新しい仲間と出会ってこうして続いています。そんな中、休眠預金の助成制度を利用して、西宮北口の阪急西宮ガーデンズの少し東、田代町10-14にa little houseという拠点を作りました。」

すぐに小さくなる子ども服はリサイクル

リトルハウスや活動に中で出会った女性たちは、今も変わらずさまざまな悩みを抱えている。
女性でも、自分が思う時間や場所を自由に作れる世の中にしたいが、それも、小さい頃から、絵本からも刷り込まれていく女性像があり、日本人としてのDNAなどにもあがらって、」力を使って作らないといけない。

言い続けないといけない社会!
戦い続けないといけない社会!
頑張り続けないといけない社会!
リトルハウスは、そんな社会を変えていきたいと思っている人たちが集まってくる場所。
あゆみは遅いけど、リアルに繋がって話をして行くことが一番確実な社会変革なのだろう。

西宮は10代の若者と40代の女性の自殺率が多い街だそうだ。
『どうしようもなくなる・・・』そんな状況にならないようにしたい!!

ご協力お願い!地域に必要な居場所を継続させるために!

あたり前!って思ってたけど、あたり前じゃないかもね??
そんなんことを、ちょっと立ち止まって、感じてみる!
そんな場にしたい!!・・・と2年前にリトルハウスを立ち上げたが、拠点の維持はそう簡単ではない。

助成金頼みでない経営を目指して、カフェやお弁当、レンタルスペースなどを展開しているが、それでも固定費の捻出には頭が痛いと坂口さん。

この記事を読んで、街の片隅にある小さなスペースに興味を持ってくださる方があれば、ぜひ直接ご連絡ください!!
NPO法人 a littleのリトルカフェ➡︎

投稿日時 : 2025-07-08 20:10:00

更新日時 : 2025-07-07 16:17:56

この記事の著者

編集部|J

『西宮流(にしのみやスタイル)』の立ち上げ時からのスタッフ。
日々、様々な記事を書きながら西宮のヒト・モノ・コトを繋ぎます。

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