日本の伝統芸能を中心に、様々な分野の芸能も含めた活動ができる拠点として『平林会館・西宮能楽堂』が鳴尾駅の南側徒歩5分のところにオープンします。
12月10日は完成披露公演(非公開)があり、一般の方々へのお披露目は2018年1月7日となる予定です。
1月7日は午後1時開演。地元・鳴尾が描かれる能「高砂」の解説や楽器・謡の体験ワークショップ、梅若さんによる舞囃子「高砂」の上演などを予定していましたが、すでに申し込みがいっぱいということで、当初1回だった講演を3回に追加して対応されているとか・・・。 やはり注目度は高いようですね。
鳴尾・・・という地名は、能の「高砂」に登場する地名ということで、この会館を管理する財団法人の代表の梅若基徳さん(観世流シテ方。梅基会主宰。重要無形文化財総合指定保持者 )たちにとっては願ってもない場所での会館設立となったようです。
この西宮能楽堂は3階建てで、1階が事務室と稽古(けいこ)場と和室、2階が能楽堂、3階は控室となっていますが、限られた敷地を精一杯有効活用されていて、バックヤードを見学させていただいていると設計士さんのご苦労がしのばれました。
能楽堂は 揚幕から本舞台までの橋掛かりこそ若干短いものの、伝統的な三間四方の舞台形式で造られていて客席は桟敷席も含めて約100席。
能楽堂には珍しく、外の光を取り入れる高窓もあり、今の方々には難しく感じる言葉をわかりやすく表現するために使うプロジェクターも完備されています。
自然光が入る方角と舞台の方角はきちんと合わせているようで、能舞台の正面の羽目板(鏡板)は老松につぼみのある梅の枝が描かれていますが、その梅を咲かせるのは演者と観客という考えの様です。
今後、月初には企画ものが予定されていて、能の世界を体験してもらえるようなワークショップ付きの出し物がラインナップされています。「多くの子供たちは、教育課程の中で和楽器を体験することなく大人になってしまいます。日本人としては、少し寂しいですよね。」と梅若さんが話す。
一階の稽古場や、能楽堂も舞台上にマットを敷くことで、和洋共に幅広い芸能活動の拠点となる会館をめざしています。