西宮市立西宮高校グローバルサイエンス科二年生のチーム「GS65」のメンバー8人が全国大会を目前にしている。メンバーは足立慎弥君・奥田紗也乃さん・奥村丈君・加賀谷航平君・夏原健太君・広瀬恵太君・福重雄大君・松本福太郎君
「今年の生徒達は楽しみながら出来るチームですね。それが強みでしょう。元々、彼らの目標は兵庫県大会の予選を突破すること・・・だったんです。個人戦で能力を競うペーパーテストの予選よりは、チームワークで戦う本戦の方が彼らの力が発揮されますからね。」と顧問の川中英俊先生(理科)。
今年から『科学の甲子園』とういう全国大会が開催される。独立行政法人科学技術振興機構が高等学校等の生徒を対象に、理科・数学・情報など総合的な複数分野で競い合うことを目指している。
その第一回目の会場が、西宮市内の県立体育館であることが昨年の夏に発表された。
西宮で行われるこの大会の、兵庫県代表はどこになるのかなと注目していたら、なんと西宮の高校・市立西宮高校(通称:市西)のグローバルサイエンス科二年生のチーム「GS65」がその栄冠を射止めた。これは同校のサッカー部の全国大会進出が決まるより早かった。
もともと、兵庫県は独自に「数学・理科甲子園」という取り組みを行っており、これまでにも市西がそこで優勝したこともあった。今のチームのメンバーも市西に入学した時には「数学・理科甲子園」出場を目標にしたグループを作っていたが、『科学の甲子園』への予選会も兼ねるということで募集要項が今年度から変更され、メンバーを変えるなど対応し昨年の10月22日の兵庫県大会に備えたという。
「昨年までは3人で一チームだったので、兵庫県大会に向けて他のグループからトレードしてメンバーを募りました。今は全国大会の開催要項も決まり、それに向けて最近またメンバーも入れ替えて8人で全国大会に行きます。」
アメフト・バレーボール・吹奏楽・地学・生徒会・・・などなど、様々な活動もしながら3月24日から始まる全国大会に向けて準備に余念がない。「週に一度集まって、川中先生からもらった課題に挑戦したりしています。」
(兵庫県大会の時の様子は、川中先生が詳しいレポートをされているので、ぜひそのレポートをここから見て欲しい。)
団体で一つの問題を解いたり、実験をしたりするときのコミュニケーションの秘訣を聞いてみた。「僕達仲がいいんです!!一年生から同じクラス・・・ということもあって、それぞれの長所短所、その人の得意もわかってるし、何より自分の思ったことが言い合えるというのがこのチームの強みだと思います。」
全国大会では、数学・物理・生物・化学・地学・情報の6分野があり、12問の問題を6人で120分で解く筆記競技(1競技)と物理や化学などの実験競技(2競技)、そして科学技術を総合的に活用する総合競技(2競技)などがあり、それぞれ360点満点の合計1080点で得点を競う。総合競技では回答にたどり着くまでの過程のプレゼンテーションもあり、それも含めて採点される。
「スポーツとは違い『文』の分野は他の人と競い合うという場が少ないですから、『 科学の甲子園』のような催しはうれしいですね。」と川中先生。
今は全国大会に向けて、例えば数学オリンピックの問題を解いたりという準備もしている。県予選には出場していなかったメンバーもいて「全国大会は、かなり学力的要素が必要だと思ってます。」と気を引き締めていた。
「県大会の時のコルクボードを切って行う実験の時、彼がカッターナイフをわざと反対に使って和ましてくれたんですよ!!」と楽しいエピソードも教えてくれた。取材に答えてくれる様子からは、お互いに言いたいことが言えて、お互いの良いところをきちんと評価していることが伝わり、チームワークの良さが感じられる。なにより明るいのが魅力。
「これからも頭を柔らかくして発想力がつくような問題を探して来て、全国大会に向けて生徒達に挑戦してもらいますよ。」
自分たちの魅力を「ひらめき」と答えてくれたチーム「GS65」 柔軟な思考力を発揮してベスト8目指して頑張って!!!
鳴尾浜の県立体育館で二日間繰り広げられる、サッカーとは違う静かで熱い戦いを応援しようと思う。
『科学の甲子園』の詳細はこちらから⇒