9月から始まっている西宮のまちづくり塾の4回目。会場は今回も西宮北口の甲南大学の西宮キャンパス。
今回の講師は、ベストセラーとなった「デフレの正体」の 著書もある藻谷浩介氏。全国の街を知り尽くしている藻谷さんから、客観的な統計数字と実際の現場からシンプルに「地域力」を学ぶ講座となった。
聞き手はNPO法人コミュニティ事業支援ネット理事長の東朋子氏。今回は前半の講演はグラフを駆使した藻谷さんのお話となったが、公表されている数字を分かりやすくグラフにしての藻谷さんのお話は圧倒的な説得力で迫ってきた。
今年の「西宮まちづくり塾」は出席者が参加できる講座にしようと、 毎回、様々な趣向を考えられているが、隣あった人たち同士の名刺交換や交流タイムを使ってのグループでのディスカッションもあり、今日も一方的な受け身の講座ではない活気があった。
日本の市町村をほぼ全部回られ、地域振興の分野で研究/調査されている藻谷氏は「誰でも見れる公のホームページ上に公開されている数字が、なぜテレビに取り上げられないのか不思議。」といいながら、プロジェクターには次々とグラフが映し出されていった。そしてグラフを見ながらクイズ形式にして出席者を巻き込んでいく。
西宮がおかれている現実、そして西宮が日本の自治体でどのあたりに位置するのか???参加者が一番気になっている事にも答えて頂いた。
関西の勝ち組であり、首都圏にもひけを取らない西宮市。藻谷さんの言葉をお借りすると「最強の西宮市」でも物の売り上げは減っている。その原因は、15歳〜64歳の現役人口が減っている事であり、高齢者がお金を使わない現実にあるという。
藻谷さんはさらに続ける。「例えば少子高齢化などと言うように◯◯化という言葉を使う事で本質が隠されてしまう。少子高齢化という言葉に惑わされ、その真ん中の現役世代の減少が忘れられている。」という指摘はとても実感できた。商業の床面積が増えても、売り上げが増えないのはまさに現役世代の減少の影響も大きい。
参加者の各グループから の質問タイムも設けられていたが「高齢者の力の活用法」「高齢者が持っているお金を市場に出すには?」「西宮のまちづくりのヒントは??」などという質問が多かったが、その会場とのやり取りの中で、藻谷さんにとって西宮にコミュニティバスがないことについては大きな驚きであったらしい。
辺鄙な過疎の地だけではなく首都圏の渋谷など、たくさんの成功事例を見てきた藻谷さんからは「西宮こそ、コミュニティバスが 機能すると思う。」と強くすすめられた。西宮でもコミュニティバスへの期待の声もあると聞く。積極的な事例研究がどこまでされているのだろうか??と改めて興味を持った。
「これからは、大学と病院が街の核となる。」と市内に10大学33000人の学生のいる西宮市にとっては重要なヒントとなるような言葉も聞こえてきた。「病院は大きい集客施設ですよ 。病院に来る人は元気なんだから・・・(笑)」
最後に見せて頂いたパワーポイントの画面と一緒に、私が気になった言葉をご紹介しよう。
それは前回の講師:元「Meets Regional」編集長の 江弘毅氏 、そして前々回の講師:コミュニティデザインの著者の山崎亮氏からもお聞きした言葉を、今日三たび藻谷さんの口からもお聞きする事となった。「街を元気にするためには、分散型を目指すべき。小さなコミュニティが特徴を出しながら競争していくような分散型コミュニティ元気都市を目指して下さい!」と。
次回のまちづくり塾は2月17日(金)19:00〜
講師は、神戸フィルムオフィス代表の田中マコ氏。テーマは「映画でつくる元気な人・元気なまち」
昨年、今津線沿線を中心に撮影され、大ヒット映画となった「阪急電車」なども、たくさんの作品の中の一つの事例に出てくる事でしょう。
次回も目が離せません。 お申し込みはこちらから⇒ 締め切りは2012年2月1日です。
遡って、すでに終った講座の内容も、上のページで次々発表されているようです!!
ご興味ある方は、講座内容のレポートも読んで下さいね。
アサダワタル氏、檜谷美恵子氏の講演内容はこちら⇒山崎 亮氏の講演内容はこちら⇒
江弘毅氏の講演内容も近々アップされると思いますのでお楽しみに!!