24年度の西宮文学案内の春期講座の第二回目が中央図書館で開かれた。
今日の講演は、作家・文芸レクチャラーの土居豊氏による「夙川オアシスロード〜作家たちが愛した文学の道〜」
事前の申し込みで集まった参加者が、市民の憩いの場である夙川オアシスロードをすぐ横に感じられる中央図書館の講座室で土居豊氏の話に耳を傾けた。
夙川にゆかりの深い作家の中にノーベル文学賞候補が4人もいるという、この地が秘めている力を、各作家の作品も取り上げながら話が進んで行った。
この日は、4人のうち遠藤周作、井上靖、村上春樹の3氏が取り上げられ、その作品を読み解きながらそれぞれの作家に与えた夙川と言う土地の影響をお聞きした。
遠藤周作「 黄色い人」
井上靖「猟銃」
村上春樹「ランゲルハンス島の午後」
最近、出版された著書「ハルキとハルヒ」も並べられていて、最後の5分は谷川流の「涼宮ハルヒシリーズ」に触れて90分の講義が終った。
この後、この日は 希望者だけの参加で「オアシスロード」を夙川河口までの文学散歩もあった。
土居豊氏の先導で、夙川左岸のオアシスロードを南下し、村上春樹の作品の原風景と言われている「あしはら橋」や「回生病院」「香櫨園浜」「芦屋のシーサイドタウン」などを見ながら作品に思いを馳せた。
「臨港線が整備されたのはいつ頃なんだろうね??」と言いながら、今年の冬に修理され蘇った「あしはら橋」の上から海を眺めた。村上春樹氏の作品にも出てくる夾竹桃も咲き始めていた。
参加者の方(西宮芦屋研究所員)の提案を受け、この日歩いた夙川の右岸(西側)を『ランゲルハンス島の岸辺』と名付けようと約束した。夙川の左岸(東側)のオアシスロードと右岸(西側)のランゲルハンス島の岸辺・・・いい響きだ(笑)