令和の御大典奉祝事業の一環として進められていた「西宮大神本記絵巻復元」の復元が2020年6月に完成した。
(一般に向けてのお披露目は2020年9月になる予定)
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「西宮大神本記」は絵と詞書からなっていて、徳川中期ごろに作成されたと言われている絵巻物だが、昭和20年の大空襲で国宝だった本殿と共に消失していた。
詞書には蛭児命の出現から百太夫・忌籠・誓文祓・神幸など古くからの伝承が描かれていて、絵巻物には蛭児命の出現・忌籠・神殿と表門・海上渡御・和田岬御旅所神事、陸路還幸などが描かれていたという記録だけがあり、わずかに残っていた戦前の絵葉書や調査書などのスキャンと、時代考証を重ねて復元にこぎつけた。
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元データがかなり荒いモノクロの資料だったので、その復元にはまずはサイズを決めることから始まり、神事的・美術史的・民俗学的にチェックを入れながらの作業をしながらの復元となった。
今回の復元には、伝統的な技法で修復・複製する京都の㈱大入と大日本印刷の大きなバックアップがあった。