まんぼうトンネルとは、JRの線路の下を流れる水路に蓋をし、人がやっと通れるほどの小さなトンネルのことで、これまでにも西宮流でもたびたび記事にしてきている。
なんと、今回、NHKのドキュメント72hoursで放送されるという。(7月7日22:45~)
番組公式サイトはこちら➡
3日間のロケでどんな方が通られ、どんな内容になっているのかとても楽しみ(^_-)-☆
この放送予定を知った西宮流と関係の深い風景印収集家の松本さんから、いろいろ情報が届いたのでここに一旦まとめて置こうと思う。
下記の記事と一緒にどうぞ(^_-)-☆
鉄道管理者であるJRからみると、この甲子園口のマンボウトンネルは「庄川橋梁」となる。
過去の地形図・空中写真と現在の地図を同時に確認できる「今昔マップ」で、1909(明治42)年測図の地形図を確認すると市上下水道局の武庫川取水場付近を水源とする小川があり、現在のトンネルの位置で線路の築堤を貫通しているので、これが庄川と推測できる。
<https://ktgis.net/kjmapw/index.html> 今昔マップ on the web:時系列地形図閲覧サイト|埼玉大学教育学部 谷謙二(2000~2022年) (ktgis.net)
1942(昭和17)年の空中写真ではトンネル付近に小川(庄川)の筋が確認できない。
これは、1934(昭和9)年の省線甲子園口開業に合わせ土地区画整理が行われたことと関係があるのか??
あるいは大正12(1923)年に西宮町営水道が創設された時、小川の水源池(菰池/こもいけ)を水道水源として開発したようなので、その時に廃川となったか・・・・??
また別に調べていくと、鉄道総合技術研究所の小野田滋氏が現JR神戸線の構造物について調べられ、2000年に発表された論文が閲覧できた。➡
阪神間・京阪間鉄道における煉瓦・石積み構造物とその特徴 (jst.go.jp)
京都から神戸までの“橋梁”の詳細な一覧表のうち、尼崎駅~芦屋駅間の一覧を抜粋した表はこちら➡
上記の表にあるNo153が当該の橋梁(マンボウトンネル)。ちなみにNo163が『細雪』に登場する平松町のマンボウ。
小野田氏の論文に“庄川橋梁”(マンボウトンネル)についての記述もあった。➡
「庄川橋梁と中川橋梁は煉瓦アーチ構造で、庄川の橋梁の下り線側は側壁がブラフ積みの切り石によって仕上げられており(中略)庄川橋梁の上り線側はアーチが煉瓦でできているほかはすべてコンクリート構造で、(中略)構造的に見て1926(大正15)年開業の複々線化の際に拡幅された部分と推定される。」
トンネル内部で見つかった不連続な部分の写真。
写真の右側が南で鉄道開業当初に造られたレンガ積みと思われる。
トンネルの南側の入口付近はレンガ造りではなく、コンクリート造の角型。
角型部の建造時期については諸説あるようだが、 角型部は高須町にあった川西航空機の工場への貨物輸送を目的として、第二次大戦末期の1944(昭和19)年に線路を増設した時に建造したのではないかと考えられる。
武庫川女子大学の丸山健夫先生が地域の歴史を解説するベイ・コミュニケーションズの番組「ジモレキTV」でもマンボウトンネルが取り上げられている。You Tube で閲覧➡