卸売市場って、 地域流通の拠点として、広く市民に生鮮食品等を安定的・効率的に供給するという使命を担っているようですが、一般の消費者にとっては遠い存在ですよね。
そんな 卸売市場 が、なんとJR西宮駅から徒歩数分というところにあります。
もともとは公設の市場が1つと、民設の市場が2つありましたが、令和元年7月には 西宮東地方卸売市場(民設市場)へ統合 されています。
卸売市場のホームページ➡ の沿革を見ると、開業は明治18年に遡るようですから、明治7年に大阪ー神戸間の開通と同時に今のJR西宮駅ができていることからみても交通の便という側面が大きかったのでしょう。
JR西宮駅から徒歩数分 、国道二号線のすぐ北側という立地は、今でも一等地となっています。
これまでも何度か、移転や建て替えの話もあったようですが、今回ようやく現地での建て替えということで都市開発の計画が進みだしています。
卸売市場という事で、活気があるのは夜中から早朝という特徴もあり、一般市民が活動する日中はシャッターが閉まっていたりして、おまけに建物もかなり老朽化していて、駅の近くでありながら異質な空間でもありますが、何年か後は、どんな景色に変わるのでしょうね??
本業とは全く関係のない話ですが、市場の一部には、かつて鳴尾浜にあった格納庫(川西航空?)がここに移築されて、現在まで現役で使われている大屋根の建物がある。
格納庫と言われているので、間に柱のない広い間口の建物ですが、あの阪神大震災にも耐えて今も活躍しています。
格納庫の大屋根の下に コンテナやプレハブを入れていますので、なかなかわかりにくいかもしれませんが 興味深い木造建築物です。
もう一つ、本業に関係のない小ネタになりますが 蒲鉾の会社のカネテツデリカフーズの創業の地が西宮の卸売市場内であったようです。
2019年11月15日の蒲鉾の日には、カネテツが蒲鉾発祥の地である生田神社でかまぼこ誕生900年祭をされていたようですが、この西宮の卸売市場の蒲鉾や天ぷらを女中のお春どんが買ったというのが 谷崎潤一郎の細雪の中に出てくるというのも面白いですね。
西宮の卸売市場のもう一つの特徴は、セリのない相対取引と言って業者とお客の間で一対一で取引されることです。
値段が折り合って売買が成立したら、ネコと呼ばれる荷車で車まで運ばれていきます。
卸売市場のホームページはこちら➡