ヘリテージマネージャー 藤井成計さん
阪神・淡路大震災を経験し、歴史的建造物等、地域に多量に存する歴史文化遺産の保全が大きい課題となりました。その後、建築士を対象に「養成講習会」を通して、歴史的建造物の修理技術や活用手法、歴史文化遺産を活かしたまちづくり等に関する講習を行い、地域の歴史的建造物の保全等を期待する「ヘリテージマネージャー」登録制度が発足しています。県下で約300名、阪神間でも約30名が認定されています。私もヘリテージマネージャーとして、歴史文化遺産を保存して活用する活動をしています。
モダニズム建築とは近代(明治から戦前まで)に造られた建築物ですが、阪神間の場合は鉄道の沿線開発がその発展の重要な要素となっています。またモダニズム建築を語る時には、いつ頃できたのかという時代背景、そして設計者・建築様式の3つが重要なファクターです。
「まちたび博」の中では、モダニズム建築を巡るコースのいくつかでガイドさせていただきましたが、とても人気のあったプログラムだったようです。参加者の方がとても熱心でした。
<武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)>
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1930(S5)年竣工、フランク・ロイド・ライトの弟子・遠藤新氏の設計。幾何学的な装飾と水平を多用した流れるような空間構成のライト風建築。日本でも指折りのモダニズム建築。見学可(要予約)
<松山大学温山記念館(旧新田利国邸)>
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1928(S3)年竣工、木子七郎氏の設計。この時期に大流行したスパニッシュ・スタイルの建築様式・・・赤茶色のスパニッシュ瓦と明るい色の外壁、アーチ窓、ランターンなどが特徴。和洋混在の建物で防空壕がある。見学可(要予約)
<関西学院大学>
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1929(S4)年竣工、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏設計のスパニッシュ・ミッション・スタイル。アメリカの南西部で流行した、重厚・均整・半円アーチが特徴。阪神間スパニッシュスタイル住宅の元祖とも言うべき建築。見学可。
<神戸女学院>
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1933(S8)年竣工、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏設計のスパニッシュ・ミッション・スタイル。中庭や回廊を配置し、修道院的な雰囲気がある。濃いスクラッチタイルと暖色系の外壁が特徴の装飾性が高い建築。見学可(要予約)
<山本清記念財団(旧山本家住宅)>
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1938(S13)年竣工、茶室研究家でもある岡田孝男氏が設計。和洋折衷の建物で、お茶室もある。
見学可(要予約・有料)