2月28日(火)座学2「おもてなしの技術を学ぶ」
NPO法人ほんまもん探検クラブ事務局長でもある刀根浩志氏の座学の二回目。受講生の若干の入れ替わりもあったが、今日も初めての参加者の自己紹介から始まった。「人と人の交流が大切」という刀根さんのスタイルは、参加者の一体感をつくり出されているのを感じる。
今日は『地域ツーリズム創造のポイント~売れる体験プログラムづくり~』がテーマ。
「おもてなしの技術とは、個性だと思います。まずは、ガイドする事を楽しんで下さい!!ガイド=アドバイザーと思えば気が楽になるのでは??」とこの日のお話が始まった。
ガイドも参加者と交流する事で一緒に学び、参加者と共に成長していく楽しみが味わえるという。指導者でもありながら、参加者の主体性を尊重し、参加者が見ている方向を見て語りかけることで、開放的な雰囲気や時間作りが大切だと、ガイドの心構えを教えていただいた。
「全部を知っていなくても良いんです。分からない事は調べておきます・・・と答えれば良いいと思います。ただ、解説した話の出所はきちんと伝えてください。『伝承』なら『伝承』と・・・」
プログラムの成功のカギは顧客志向・・・目先の利益を考えず、お客様の満足を作ればお客さんはリピーターとなり広告塔ともなり、結果は後からついてくる。
我が街の誇りと生き様をストーリー化し、旅人の目線で商品化するためにも、ポジティブな目線で地域のストリーの種を探さねばならない。そして、重要な事は『街の誇りを伝えてくれる人』をみつけること。「いってらっしゃい観光・・・になってしまうといけません。一回は来るけど、次には来てくれません。」
ここで淡路島での経験を交えながら、コンセプトメイクのためにイメージを広げていく時に使うシートを教えていただいた。シートにキーワードを書き込んでいく事で外せないキーワードが見えて来る。その時に、具体的に自分の友人の◯◯さんに来てもらうために・・・という絞り込みから入るのも一つの手法。
「今の時代はネットなどで無縁社会と言える一方で、『絆』が求められている時代でもあるんです。シートに出て来たメインのキーワードを組み合わせて物語を作ってください。但し、参加者の行動と結果を意識することが重要です。」
その後、実際にガイドする時の注意点へと話が進んだ。「相手に無理にあわせる必要はありません。ここを見ていただくためには◯時間必要です!!と、時には断る勇気も必要です。」と刀根さん。
「事前に注意する事は必要だが準備しすぎないこと!!ただ、トイレの場所やその日の工程の順番や時間配分、その日の設定目標を最初にきちんと伝えてください。」
体験のためのプログラムをする場合は特に、体験のための準備や後片付けまでが体験であり、きっちり仕事をしてもらうために必要な工程だという。できれば写真や地図なども用意して、今自分がいる場所や説明の時のポイントになる写真があれば参加者に伝わりやすくなる。
「お客様を神様にせず、友人になって下さい。そのためにはガイドも自己紹介が必要だし、参加者に丸く輪になってもらって自己紹介してもらって、一体感が持てるようにして下さい。」
何かを進行中に一人でも指示通りの行動や作業が行われていないと分かった場合は、全体を一度止めて再確認してまた進めるという「ストップ&ゴー」は体験・まち歩きともに大切な手法だと思った。
二日間の講座で、参加者とガイドの話のキャッチボールを心がけて欲しいという刀根さんのお話はとてもたくさんの気づきをいただき、改めて観光を考える視点も頂いたように感じた。