放送作家の増山実さんが初めて書かれた小説「勇者たちへの伝言 いつの日か来た道」が市内の書店の店頭で平積みになっている。
それもそのはず、西宮北口近辺が小説の 重要な舞台になっている。
仕事に疲れた放送作家・正秋が、まるで空耳のように聞いたのは「いつのひかきたみち」。それは西宮北口(にしのみやきたぐち)のアナウンスだった。
誘われるように降りた平成23年の西宮北口駅周辺に、小学生の時に父とたった一度来た西宮球場へ続く道とあの日の思い出を重ね合わせる。
球場跡にできた大型ショッピングモールの屋上で、かつての球場の思い出を探すうちに、正秋は父と球場に来た昭和44年のあの日へタイムスリップする。
そこには8歳の姿の自分がいて、そこで父の口から秘密を聞くことになる。
当時、直角に交わっていた鉄路の響きと共に、現実と非現実が交差しながら語られていく物語には、永遠という街での人と人の交差が綴られる。
<上二枚の写真は 文中にも出てくる阪急西宮ガーデンズ5Fのギャラリーにあるジオラマ。在りし日の西宮球場の写真は西宮市より拝借。最後の写真は2008年5月の今津線の様子です>
校正作家だった増山さん(「ビーパップ!ハイヒール」のチーフ校正を担当)が、実際に体験した『いつの日か来た道』という空耳をきっかけに、自分の経験をもとに書かれた小説。
今年の長いお正月休みに、ぜひ読んでみられては??
懐かしい阪急ブレーブス(ブレーブス=勇者)の選手のその後の取材などもあり、小説の中に出てくる場所がハッキリと映像として浮かんでくるこの作品は、市民ならではの楽しみがきっと味わえる小説!!
小説の中に出てきたこんな所も、写真でご紹介。