11月27日(日)、まちなみ発見クラブの主催イベントに参加してきました!
あいにくの小雨ではありましたが、17名の参加者、21名のスタッフの計38名で
楽しくお勉強&まち歩きができました。
当日の午前9時、JR甲子園駅前。スタッフ全員で直前打ち合わせ。
9時半、続々と応募された方々が集まります。
参加された方の年齢層はバラバラで、それだけ広い世代に「まちあるき」が浸透しているんだな、と感じました。
それぞれが受付で伝えられた色ごとに分かれて、歩きます。
各チーム約10人ずつで分けられ、私は赤チームでした。
チームごとに集まり、初めにチームメンバーの名前確認、配布物の確認、注意事項の説明を受けたら、まちあるきスタートです!この日は3チームに分かれました。
雨の中、クラブ員さんを先頭に新堀川筋を進みます。
新堀川筋は、春には桜並木の美しい通りだそうです。私も来春は歩きに行こうと思います。
ただ、ふと思ったのですが、ここって川沿いに柵も何もないんですね。夜に酔った人が川に落ちたりしないのでしょうか。
新堀川筋を進んで間もなく、左手に松山大学温山記念会館(旧新田邸)が見えます。
ここは愛媛・松山大学の創始者の邸宅だったものが、現在は松山大学に寄贈され、学生の学術研究などに使用されています。
内装や庭園は、建築された昭和初期の形を保ったまま残されており、談話室にビリヤード台が置いていたり、庭に防空壕があったりするそうです。
クラブ員の方が、室内の様子をパネルで見せながら説明していただいたので大変分かりやすかったです。
次に、武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)を見に行きました。
この日はライトアップイベントが夜に行われる予定だったため、特別に建物の近くまで入ることができました。
映画「秘密」や「日本の一番長い日」、「ALWAYS 続三丁目の夕日」など多くの作品のロケ地に選ばれています。
帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトの弟子である遠藤新が設計し、当時は「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と称されました。
大正時代から昭和初期にかけて西洋文化と日本の伝統とが融合した阪神間モダニズムの象徴として挙げられる建物の1つです。
中には「スキヤキルーム」と呼ばれる和室があり、その言葉通り、すき焼きが楽しめる部屋もあったとのこと。
ホテルとしての期間は14年と短く、その後は海軍病院、アメリカ軍宿舎と用途を変え、現在は武庫川女子大学建築学科のキャンパスとして使われています。
武庫川女子大学に関西学院大学、神戸女学院大学など、西宮市内の大学キャンパスはみんな清閑で美しいですね。
東甲子園公園です。この公園は再整備の際、住民を交えたワークショップを行い、地域の意見を取り入れた公園となっています。シンボルツリーや子どもたちが登って遊べる大きな石があったり、自治会が中心となって花壇の手入れや清掃活動が行われるなど、地域の活動拠点として親しまれています。
この公園がある甲子園一番町は、昭和63年から「環境保全地区宣言」を掲げています。
相次ぐマンション計画に、甲子園の景観を守るため、自治会が中高層マンションを抑制する活動を行いました。当時の想いを「かたち」に残すことで、より魅力的なまちづくりをしていこう、という強い意志を感じました。
甲子園筋の歩道脇に、旧枝川にかかっていた枝川橋の石標がありました。
現在の甲子園筋は車道のみですが、旧枝川の跡地には阪神電鉄の路面電車が走っていたそうです。一緒に歩いた方の中で、「路面電車の最後の日は写真を撮りに行ったんだ。すごい人でね。」と教えてくれました。
こんな小さな歴史に触れられるのも、まちあるきならではの醍醐味ですね。
鳴尾の北郷公園内にある義民碑です。
1591年に鳴尾村と瓦林村で起こった農業用水をめぐる争いで、鳴尾村25名の命と引き換えに鳴尾村に水利がもたらされ、村が救われた、というお話です。
義民碑の前に、鳴尾文化協会が義民碑について説明する石碑が建てられています。
最後に、鳴尾図書館で全チーム集合し、雨のため通らなかった武庫大橋についてクラブ員の方から説明がありました。
武庫大橋は両側にバルコニーが設けられ、アーチ型の曲面に装飾がほどこされるなど、景観的にも美しい橋の1つです。
戦時中の金属供出により、高欄の鉄格子と電灯が撤去されましたが、現在では復元工事を行い、完成当時の姿を取り戻しています。
その後、関西学院大学の学生さんが「鳴尾の義民碑」についての紙芝居を披露してくれ、クラブ員の方たちが作成されたまちあるきMAPをお土産にいただきました。
約3時間のイベントは盛りだくさんの内容でした。
クラブ員の方の話を聞きながら、多くの参加者がメモを取ったり、写真を撮ったりと熱心に聞き入っていたのが印象的でした。
自分の住むまちで、ただ何気なく過ごすだけでなく、そのまちの文化や歴史を知ることでまちに愛着が生まれ、愛着が生まれることで自分もまちを守っていきたい、育てていきたい、と感じる人が増えたら嬉しいなと思いました。
参加させていただきありがとうございました! (レポーター M)