船坂は、有馬温泉の入湯路である有馬街道の中継地として集落が形成されてきた。有馬街道は、生瀬から太多田川に沿って船坂を抜け有馬温泉に至る街道である。
船坂の地名の由来は、洪水で埋没していた有馬温泉を1191年に復興した仁西上人が、温泉の湯舟をこの地で求めて以来「舟坂」と呼ぶようになったと言い伝えられている。
船坂では、太多田川が造った礫質の河岸段丘での畑作農業が盛んで、とりわけ 標高約400mの高地の昼夜の温度差の大きい気候の船坂では甘みの多い野菜が栽培される。昭和50年頃までは、パセリの産地として有名で大阪の台所を支えた。
また、六甲山から吹き下ろす冷たい風を利用した寒天づくりも盛んなところで、 明治18年頃から始まり昭和初期にピークを迎え、平成10年頃を最後にすべての工場がなくなった。
1992年に西宮北有料道路(盤滝トンネル)が開通し、 2009年4月からは「さくらやまなみバス」が西宮市の南部と山口町・有馬温泉を結んで走っている。西宮北有料道路を北に抜けた所に位置する船坂は、阪急夙川 駅からさくらやまなみバスでも30分程で着く立地。
2010年3月に惜しまれつつ閉校した旧船坂小学校だが、山に抱かれた木造校舎の有効利用と地域の活性を結びつけようと様々な取り組みも始まっている。(今でも、見学に訪れる人も多い。)
2016年4月からは、地域の方々が指定管理人となって様々なイベントなどを企画されています。
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山桜や新緑がうつくしい春、ホタルや涼風が迎えてくれる夏、里山が色づく秋には田んぼの畦に彼岸花が咲き『ミヤマアカネ』が飛ぶ、標高の高い船坂は冬には雪景色になることも・・・四季折々の豊富な魅力に惹かれ、近年はカフェやレストランも増えて来た。
また六甲縦走路の「石の宝殿」や「船坂峠」と結ぶハイキング道もありハイカーの姿も多い。