津波で打ち上げられた重さ160トンの捕鯨船を、持上げて海へ戻した巨大なクレーン――「捕鯨船、海へ戻る」などと、新聞などで報じられたのを目にされた方もおられるでしょう。あのクレーン、実は西宮から馳せ参じたものだったのです。
捕鯨船の吊り上げ。石巻では、捕鯨船2隻と、生簀船1隻を吊り上げた。
大もの運びはおまかせ。被災地の復興支援にも一役
ご紹介するライト建設は、大型のクレーンやトレーラーを多数保有し、大きなものを動かすことがあれば、全国どこへでも出かけていく会社。
製鉄所の炉、巨大な船のカジ、電車、消波ブロック・・・。全長20メートル以上あるトレーラーやクレーンで、どこにでも運んでいきます。
この仕事はひと言で言えば「段取り」がすべて。道路許可をとり、深夜、前と後ろに誘導車がつき、時速5キロで慎重にソロリソロリと運んでいくのです。「カドが曲がれるか」「歩道橋、電線など引っかかるものはないか・・・」など、』事前準備が正否」を握ります。
大型のトレーラーやクレーンを保有し、それを使った
大型重機の運搬技術のノウハウでは“知る人ぞ知る”会社
なのです。
東日本大震災後は、水産庁や地元の漁協、県の水産課などから相談が相次ぎました。
まず取り組んだのが、震災で大きな被害を受けた石巻からでした。
重さ160トン、長さ30メートルの捕鯨船を、海に戻すことができるか、という問い合わせです。
入念な下準備、今回は無し。駆けつけてよかった、石巻
普通は、経路も入念に検討し、また先遣隊が図面などを事前に入手し、重量も把握するなど事前に入念な準備をするのですが、今回は事前準備は無いに等しいものでした。
「でも、とにかく行こう!
自分達も阪神大震災の時は苦労をして、またいろいろな方々に助けられたんだ。少しでもお役に立てるなら・・・」と、即決しました。
石巻の現場へ向かう途中の道。何もかもが 流されたあと、かろうじて車が通るスペースが確保された細い道を、細心の注意を払いながら進む。
石巻までは、900キロの道のり。フェリーも使い5日間かけ到達。とにかく異例づくめです。宿泊するところは探しながら、吊り上げる船の図面や資料類は津波で流されており、打合わせは船主さんと立ち話し程度で、といった具合です。
「なんとかお役に立ちたい、お手伝いしたい」という気持ちがあればこそできたのではないかと、振り返っています。一生、忘れられない仕事になりましたよ」と、岡本社長。
被災地での活躍が報道されて、「こんな会社が地元にあったのか」と知られるようになってきましたが、ライト建設さんの仕事は、実に広い範囲で私たちの暮らしを支えています。そのいくつかをご紹介しましょう。
話題になった、喜んでもらった、ライト建設のヘビーな仕事の数々
●まず、近いところでは、関西空港や神戸空港。周囲を取り囲む消波ブロックの設置工事があげられます。関空では73%の消波ブロックを、神戸空港では3万6000個の消波ブロックが、ライト建設の仕事です。
● 世界最大級の貨物機アントノフが中部空港に運んできた、ガスタービン発電機を、こんどは港に行き船に載せ替える仕事。ジョーズのようにパックリ開けたアントノフの前部から、ライト建設の大型トレーラーに載せ替える様子は圧巻でした。
● 阪神大震災では、傾いた金融関係の入居するビルから、金庫を吊り上げて“救出”したこともあります。この時はクレーンのブーム(腕にあたる部分)が100メートルの長さであったとのことです。
大型輸送機アントノフから降ろしたタービンを、大型トレーラーに積み替えて運ぶ。 中日新聞に掲載された記事。
西宮についてお聞きしました
西宮市今津にあるライト建設。「新幹線に乗るのも、3つの空港にいくのも、とにかく西宮は便利。出張が多いので、このロケーションは最高です」と、岡本社長。
株式会社ライト建設
- 住所:兵庫県西宮市今津山中町6番21号
- 電話:0798-34-0022
- 大阪営業所:大阪府泉大津市汐見町59番地1
- 電話:0726-33-9963
- ホームページ:http://www.light-k.co.jp/