さくらFMパーソナリティ 前田豊さん
今年は西宮市が「文教住宅都市宣言」をしてちょうど50年になります。
西宮は自然環境に恵まれた閑静な住宅都市であり、教育機関や文化施設の整った文教都市であり、市民活動が活発な文化の町でもあります。
その昔、遊園地や温泉、果樹園などとして発展した西宮七園も今は閑静な住宅地となっています。中でも甲陽園目神山地区は住民の自主的な町づくりが評価され、2012年度には国土交通大臣から都市景観大賞を受賞しました。
また大学が10校もあり、公民館やホール、美術館やギャラリーなどがこれだけたくさんある所はあまりないと思います。それは、昔から多くの芸術家が住み、市民活動が活発な西宮だったからでしょう。毎日どこかで展覧会があり、毎日どこかでコンサートがあるのが西宮です。
また西宮は夙川公園の松林や西宮砲台、JR甲子園口駅や上水道や学校等々に見られるように、産業界と市民が協力しあって町を造ってきた住民の意識の高いところです。
訪ねて来てくださる人に、つい自慢したくなるような西宮の魅力を、市民一人一人が持つ事で、おもてなし上手な町になるんだと思います。
<目神山地区>
開発当初からの住民の自主的なルール作りで、地形の通りに道を作り、自然の樹木を残し、建物や塀などが出来るだけ自然に調和するように開発してきた。2012年に国土交通省の景観大賞を受賞した。
<甲子園球場でのシャッターサービス>
高校野球の開会式で使われた参加校名の書かれたプラカードを持って、お客様のカメラで写真を撮影してあげるという、市民のおもてなしの心が作った高校野球開催時の名物サービス。
<夙川公園>
司馬遼太郎の「街道を行く」の挿絵を描いた須田剋太も愛した公園。昭和の初め、地域住民も寄付金を出して整備された公園の松林に、戦後、桜が植栽された。現在ではソメイヨシノやオオシマザクラなど約15種類1660本の桜があり「日本さくらの名所100選」に選ばれている。谷崎潤一郎・井上靖・村上春樹など有名作家もこの近くに住んだ。
<今津六角堂>
社会教育事業に熱心に取り組んだ西宮市は、明治のこの建物を今津小学校⇒幼稚園と変遷した後、ふたたび公民館として活用した。(現在は使われていない。)長野県松本市にある開智学校についで古い建物とされている。作家・野間宏はここの卒業生