西宮市は、文学の聖地でもあると思っている。
古くは文豪・谷崎潤一郎から佐藤愛子さん、村上春樹さん、そして今年の芥川賞の松永k三蔵さんまで多くの作家が住み、数多くの作品の中に西宮の地名が出てくる。
これほど多い都市も少ないのではないかと思う。
西宮流の中には「文学回廊」というコーナー➡もあるので、ご興味のある方はじっくり見て欲しい!
今年の第171回芥川賞に輝いたのは、関西学院大学文学部卒の松永k三蔵さんの「バリ山行」➡だったが、昨年の168回の芥川賞も宮っ子で、同じく関西学院大学文学部卒の井戸川射子さんの「この世の喜びよ」だった。
西宮ってクリエイティブな人たちを惹きつける物がある、魅力あふれた街なんだろうと思う。
「聖地の街・西宮」論を改めて自分の中で確信している。(笑)
昨年の井戸川さんの作品には、残念ながら西宮とわかる固有名詞は出てこなかったが、子育ての合間の時間を活用して書かれていたんだとしたら、あの場面の数々はきっと市内のあちこちだったに違いない!!
松永k三蔵さんが、関学出身で市内に住んでいて市内の企業に勤めていると明かされていたので期待しながらページをめくった!
なんと一番最初の行で「山ガールという多聞さんに声をかけられ、、、、」という描写に出合った。
西宮に住んでおられる松永さんが、登場人物に西宮ゆかりの名前を潜ませておられる??(笑)
「多聞」と聞くと「多聞酒造」が頭に浮かぶ。
1920年に設立された多聞酒造は、西宮にあった酒造メーカーの一つ。残念ながら会社は解散したが、今は商標権を買い取った大関が「多聞」ブランドとして製造販売している。
また、市内には多聞酒造も所有していた「元八馬汽船事務所」として建てられた「多聞ビル」が残っている。
登場人物の名前…でいうと主人公をバリ山行に興味を持たせるきっかけになった人が「妻鹿さん」
この名前にも、西宮には古くから「馬」や「鹿」のつく固有名詞が多い西宮を知っている人の匂いがしたのは私だけ???
西宮流が文学回廊の作品として掲載するのは、文中に西宮の地名などが出てくる作品に限っている。
それでも、現在110作品以上を紹介して来た。
(現在進行形で掲載していますので、ご存じの情報がありましたらご一報ください。)
地名が出てこないか?と更に読み進めて行ってJR甲子園口・・・という表記に出合った。
前職から転職した主人公が、会社の決め手の一つにしたのが「西宮市内の駐車場付き2DKの社宅に月4万円で住めることもありがたかった。JR甲子園口駅から徒歩10分。」
転職した会社では、積極的に交流を持つことをしてなかった主人公が、社内の山岳部に属することになって六甲山をあちこち登山するが、残念ながら西宮エリアのルートは出てこない。
西宮の特徴の一つでもある「六甲おろし」。その山の様子で天気を予測している人も多い六甲山。
その六甲山の東の端は、西宮を南北に分けている。
そう、六甲山は西宮にも縁が深い!
松永さんご自身が「山歩きが好きで、山歩きをしながら頭の中を整理する。」と書かれていたので、西宮の登山ルートが出てこないかと楽しみにして更に読み進めていたが、西宮のルートが出てこない…。
後半の「バリ山行」の場面はドキドキしながら読んだ。
もうあきらめていた最後で「甲陽園の登山口」という表現に出合った!!
松永さん、西宮からの山行きを入れていただいてありがとうございました!…これは、西宮流の中の人としての勝手な思い(笑)
山歩きも人生も山あり谷あり!!
「おもろい純文学」を目指しているという松永さんの「バリ山行」を一気に読んだ。
「文学回廊」というコーナー➡では、西宮の地名が出て来る作品や西宮に縁のある作家などを紹介している。
昨年、芥川賞に輝いた井戸川射子さんは、今年の文化振興財団主催の講座「文学案内」の講師として登壇される。
詳細はこちらから➡ (事前申し込みは不要。当日先着順)