灘五郷の西宮は、昔は一升瓶10本を入れる木箱や日本酒を入れる樽、そして桶などを作る会社がたくさんあったが、今では樽商(田中製樽工業所)が残るだけ。
店舗は、大阪から西国へと通じる街道だった旧国道(阪神電車の北側を東西に走っている道路)沿いにある。
旧国道はまっすぐ西に行くとえべっさんの赤門。
主役だった酒樽需要が減少の一途をたどっていることが、樽を作る会社の減少につながっているが、樽商も酒樽ではなく、今は樽太鼓やディスプレイ用の和樽などが中心。
生活雑貨の一つで電子レンジでも使える小さなおひつは、箍(タガ)が竹製なのでそのままレンジで使える。
冷凍ご飯もこれに入れてチンするととてもおいしく人気。
まずは鉄の輪っかを締めていく 長い竹を起用に丸く・・・ 体を使って竹のタガを作る サイズに合わせるのが匠 小槌で押し込む」 竹のタガを機械で押し込んでいく
バラバラの板を、釘も接着剤も使わずに組み立てていき、竹の箍(タガ)でしめて、液体の酒が洩らない技術が樽づくり。
樽太鼓も、きれいな音が出るためには蓋もタガもきちんとしまっていないといけないが、そこは酒樽の技術が息づいている。
照明 出来上がった樽太鼓 樽の材料 砥の粉
廃業された同業者からの道具も大切に使いながら、酒樽の技術が生活雑貨の樽つくりに引き継がれている。
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