昨年6月に認定された日本遺産『「伊丹諸白」と「灘の生一本」下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷』の一つに、西宮砲台の北にある住吉神社の境内に當舎屋金兵衛(とうしゃや きんべえ)を顕彰する碑があります。
これは江戸時代の後期に、西宮の米穀商である當舎屋金兵衛が港を整備するために、この地から南に向かって約1000mに及ぶ堤防を築いて夙川から運び出される土砂の流れを食い止めようとしたものです。
しかし度重なる夙川の洪水や荒波により工事が難航し、住吉神社を勧進し、工事の完成を祈願したものです。
住吉神社の境内には金兵衛の紹介と、築洲(築堤)の勧進帳があります。
築堤は当初の計画通りには進みませんでしたが、樽回船の積み出し港として大きな役割を果たしました。
住吉神社は西宮ヨットハーバー(西宮港)に面していますが、最初はもう少し南の方にあったそうです。
正面にはお前浜の漁や當舎屋金兵衛について簡単な紹介が掲示されています。
境内(鳥居から入って左方向)に江戸時代の船の模型と共に當舎屋金兵衛の「築洲勧進帳」のプレートを嵌めた石碑があります。
境内の南端には當舎屋金兵衛の紹介と共に「築洲」の紹介と最近の地形が示されています。「築洲」の先端は現在の跳ね橋の位置と重なりこの工事の跡が偲ばれます。
住吉神社は砲台のすぐ北にあります。下記の地図を参照下さい。
コロナ感染騒動が終結した後は「日本遺産」を巡るツアーガイドも準備していますのでご期待下さい。