昨年11月に現地説明会が行われた津門大塚町遺跡 (アサヒビール工場跡地西側)で、2023年2月4日(土)に2回目の現地説明会があった。
前回11月には8基の埋没古墳や形象埴輪、馬や牛の歯、祭祀を行うための場所ではないかとされる建物の柱跡や多くの土器などが見つかっていた。
今回は、さらに新しく2基の古墳と33棟の住居跡が見つかったが、特筆すべきは「鉄を作る人たちが住んでいたのではないか?」という発表だった。
土曜日のこの日は天気も良く、すでに新聞などで取り上げられていたこともあり大勢の見物人で賑わっていた。
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今回見つかった古墳時代後期の建物群に鉄を生産・加工する集団が住んでいた可能性が高いとされるのは、素材となる鉄塊(てっかい)や鉄を作る時にできる不純物の鉄滓(てっさい)、吹子の羽口(ふいごのはぐち)などが見つかったことで推測されるという。
またこの時代にあった鉄鍛冶工房の発掘例としては、近畿屈指の規模ではないかという。
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今回新たに見つかったのは、古墳時代の中期(5世紀前半)の方墳2基と、後期(6世紀後半)の竪穴建物33棟の跡。
このエリアで見つかったのは、全部で実に10基の古墳となった。
最後に見つかった10号古墳周辺からは、須恵器や土師器のほか、朝鮮半島で作られた陶質土器も見つかった。
陶質土器の発見は、西宮市内では初めてだという。
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古墳と住居が近いという特徴や炉は確認できなかったものの鉄を作っていた場所であったことなど。いろいろ想像が広がるが今回の調査結果のパネル展が市立郷土資料館で3月5日までの期間で開かれている。