阿吽のイノシシに守られている神社が西宮にあるのをご存知でしょうか??
イノシシの狛犬がいる神社は、和気清麻呂に関係する神社に多いようですが、日本神話の神々の筆頭に位置づけられている天御中主大神(あめのみなかぬし)をご祭神の岡太神社(おかた神社)にも鎮座しています。
2019年は亥年ですから、ぜひお参りしたいところですよね。。。。
岡太神社は西宮市内でも古い由緒ある神社です。
永田武信宮司さんに頂いた由緒には「大倭 高市郡岡邑ノ司 岡司某 故有リテ摂州武庫郡廣田郷ニ居ヲ移シ、寛平五年(西紀八九三)コノ地ニ来リテ田畑ヲ開キ耕作セルニ、屡々 大風 大雨 高潮等起リテ五穀熟セズ甚ク困リ果テシガ、一日 廣田大神ノ宣託ヲ賜ハリ、開聞神ニ祈リテ作付シ、漸ク五穀豊稔ナルヲ得タリ。茲ニ於テ翌 延喜元年(西紀九〇一)天御中主大神ニ、廣田社ノ五神ヲ祀ル神廟ヲ構ヘタリ。時俗 岡司宮ト称フ。」とありましたが、古くから暴れ川の武庫川を収める神社だったのですね。
阪神淡路大震災で大きな被害を受け、本殿が改修されていますがその鳥居の前には阿吽のイノシシの狛犬が社を守っています。
狛亥が鎮座したのは、毎年正月9日夕方に恵美須大神が岡太神社で高潮や洪水等の災害を未然に静止して五穀豊穣をもたらす静止打神事(ししうちしんじ)をされると伝えられ、この神事の妨げにならない様に斉籠(いごもり)をする風習がかつてあったからだそうです。
静止(しし)を猪にかけて、猪は恵美須大神の使いとされ、この昔話を後に伝えるために静止(猪)の狛犬が設置されています。
鳴尾の漁師の網にかかって引き上げられたという言い伝えのある戎大神は、今の西宮神社に鎮座されるまでは鳴尾で祀られていたということもあり、岡太神社にも摂社として恵比寿宮が祀られています。
平重盛の供養塔があったり、北向きの白山神社(歯神さん)など、いろいろな伝承が詰まっている歴史ある神社です。
入り口近くにある『岡太社』という石碑は大岡越前守の時代のものだそうです。
10世紀半ばごろから続いている「一時上臈」という古式神事が、毎年10月9日と11日に今も行われています。
一時上臈とは、小松に住む氏子が作る南北の講の中から、一時的に神役という高い身分になって五穀豊穣や招福を祈願する神事です。