夙川駅前からさくらやまなみバスで約20分。
六甲山の北側になる位置にある、西宮市山口町船坂には懐かしい風景がたくさん残っています。
季節によって、それぞれ心惹かれる風景を見せてくれますが、秋の船坂もいいですね・・・・。
実りの稲穂に赤とんぼ。この写真は赤とんぼですが、船坂には『ミヤマアカネ』もいます。
ミヤマアカネは、翅に褐色の帯 があるので見分けてくださいね!!
最近少なくなってきた田んぼのあぜ道の彼岸花。
やはり黄金色の稲穂とよく似合います。
今から5年前、ひょんなことからたくさんの彼岸花の球根をいただき、その球根を当時の『ふなさか組』の学生さんたちと一緒に植えつけてから、毎年綺麗な花を咲かせてくれています。当時の様子はこちらから
体験農園の稲刈りの直前には、この彼岸花を残すようにして船坂農会の方が畦の草刈りをしてくださっています。
そして毎年この田んぼは、米作り体験農園の舞台にもなっています。
この時期の彼岸花とは対照的な真っ白な小さな小さな花は、ソバの花です。
そば作り体験のみなさんが協働で植えて、11月には収穫し、そば打ちをしますが、8月に蒔いた種が白い花をつけました。
船坂には現在数軒の茅葺屋根の建物が残っています。
個人の住宅で、今も住んでおられる建物もありますが、もう住む人がいなくなってしまい、修復中の茅葺屋根の建物が3軒あります。
1軒目は、今から12年ほど前から武庫川女子大の学生さんが中心となって『古民家族』として、茅葺屋根の再生を続けてきました。
この建物はまだ修復作業中ですが、3年前に一応屋根の葺き替えは終わっています。
2軒目は、西宮船坂ビエンナーレの会場にもなっていた建物です。
現在、古材問屋の明木さんを中心に、武庫川女子大の古民家族も協力して、茅葺の再生活動が続いています。
数年前の突風で屋根の一部に穴が開き、応急処置のトタン屋根がかけられていますが、その下で順次作業が行われています。
つい先日も、葺き替え作業の一部が行われていました。
この日、作業されていたのは上の写真の手前の建物でした。
5年ほど前に住む人がいなくなってからは傷みの速度が増してきていました。
茅葺屋根の建物は、一旦消滅してしまえば新しく建てることのできない貴重な文化の伝達者でもあります。
船坂のまちなみの魅力の一つである、茅葺き古民家に着目し『Bake&Restore パンを焼いて、茅葺屋根を直そう』という、全8回のなんとも魅力的な古民家再生ワークショップが始まっていましたが、この日は今年の活動の最後として屋根の葺き替え体験が行われていました。
地下たび持参の参加者の服装に、この活動への意気込みが見えました。
屋根に登る前には、『男結び』の練習もしました。
「縄は、手の脂を持っていかれるのでとても手が荒れてしまいますが、緩めないで結んでください。」この日の講師のお一人の茅葺屋の塩澤実さんの言葉と仕草を聞き漏らすまい!!・・・と参加者の熱い気持ちが伝わってくるようでした。
この後はクラウドファンディングで集まった資金を元に、早急に治しておかないといけない箇所の修理が始まります。
この活動は来年度以降もきっと続くと思いますので、ご興味のある方はそれぞれの活動のFBページなどを注目していてくださいね。
秋の1日、船坂をぶらっと歩かれる時には、こんな活動にも注目してみてください。