西宮市のランドマークの一つとして知られている、「カトリック夙川教会」は阪急夙川駅を少し西に上がったところにある。
ネオ・ゴシック様式の聖堂はヨゼフ梅木省三氏の設計により、1932年(昭和7年)4月に完成した。聖堂はブスケ神父が敬愛してやまなかった聖テレジアに献げられ、以後夙川教会は「幼きイエズスの聖テレジア教会」と呼ばれている。
きりっとした尖塔を持つ壮観な外観、美しいステンドグラスや鐘の音が人々に心の安らぎと祈りの場を提供している。
フランスから来日し、キリスト教の布教活動を行うために、大阪と神戸の外国人居留地に教会をたてて活動を始めた。毎月打ち合わせを行うために両方から歩いて向かい、夙川あたりで会って打ち合わせを行っていた。
その後札場筋に借家を借り、2階を聖堂にして11月に初ミサを捧げ、「聖なるロザリオの教会」と命名した。2年後に神父は現在地に土地を購入し、神戸居留地にあった「悲しみの聖母教会」の旧建屋を移設して仮聖堂とし、本格的な聖堂の建設計画に取り組み始めた。
1932年(昭和7年)4月に完成、新聖堂はブスケ神父が敬愛してやまなかった聖テレジアに献げられ、以後夙川教会は「幼きイエズスの聖テレジア教会」と呼ばれている。
1995(平成7)年の阪神淡路大震災では夙川教会も大きな被害を受けた。
2011年には11個のカリヨンも修復され、2012年には耐震工事も終了したが、屋根の上に整然と並んでいたクロケット(棟飾り)が落下し、危険なため全て取り除かれた。
また教会後方の2階フロアにあった、荘厳なパイプオルガンも破損し撤去された。
南側のステンドグラスの間に掲げられているレリーフは、左から、CHARITAS(愛)、 SPES(望) 、FIDES(信)、のラテン語文字を表している。
教会正面のファサードに設けられた薔薇窓とステンドグラスの窓が優しい光を教会内に注ぐ。
教会尖塔の下には日本最古と言われるカリヨンがある。23㎏から452㎏まで、大小11個の鐘があり、11個の音階により清らかな祈りの時を伝えるアンジェラスが流れる。
カリヨンは通常は自動演奏で奏でられているが、鍵盤も備えられていて自由演奏が可能である。また引き綱により鐘をならすこともできる。
この教会で洗礼を受けた、「遠藤周作➡」は、小さいときに悪戯でこの鐘を鳴らしたと言われている。
詳しくはカトリック夙川教会の「教会のあゆみ➡」を参照、また動画でも「カトリック夙川教会のあゆみ」と「夙川教会のカリヨンの音」を見ることが出来る。
古い写真は西宮市歴史資料チーム提供による。