阪急夙川駅前のモミの木に、年末になるときれいなクリスマスツリーが飾られる。
夙川自治会が中心になって、12月の初めに点灯式なども行われている。
実はこのクリスマスツリーの話は、昭和23年まで遡る。
この昭和23年にウォルター・ジョン・オハラ氏(船会社:アメリカン・プレジデントラインズ)が神戸支店長として来日し、殿山町に住んでいた。
その頃はまだまだ日本では生きるのがやっとで、夜など真っ暗な時代だったが、子供たちの心が少しでも癒されれば・・・という思いから、妻のベティ・オハラさんが羽衣橋の欄干にクリスマスツリーを立てたのが始まり。
1954年(昭和29年)にご夫婦は幼子と共に転勤で帰国することとなったが、その後も飾ってほしいと送金が続いていたという。
1983年(昭和58年)の駅前再開発で各種団体の協力でモミの木が植えられ、夙川自治会がツリーの飾りつけを行うことになった。
1987年(昭和62年)、下水工事でモミの木は市内の中学校に移植され、今は鉢植えになっているが毎年きれいなイルミネーションが輝く。
帰国後のオハラ夫妻との交流が続いていたが、1996年(平成8年)にベティさん、1999年(平成11年)にウォルターさんが亡くなられた。
しかし、今も娘さんとの交流が続いている。