甲山森林公園の自由広場(森林公園西口すぐ)に頼山陽の「兜山歌」の碑がある。
この歌は京都に住む頼山陽が故郷の広島・三原に住む母に会うために毎年甲山の麓を通る。その際に甲山を見ながら歌ったのがこの歌で、その碑が甲山の麓に設置されている。
歌の説明は下の写真に掲示されている通りで、限りある人生と対比して、永遠に栄えている日本の山河に愛の賛歌を謡いあげている名詩だ。
頼山陽は大阪生まれの歴史家、思想家、漢詩人、文人。
武家の時代史である「日本外史」の著者として有名であり、簡明であるがゆえに巷間で広く読まれ、幕末、明治維新から、昭和戦前期まで広く影響を与えた。
詩吟、剣舞でも馴染み深い「鞭声粛々夜河を過る」で始まる、川中島の戦いを描いた漢詩「題不識庵撃機山図」の作者としても有名。
「不識庵」は上杉謙信、「機山」は武田信玄。言わずと知れた宿命のライバル。
川中島<頼山陽>
鞭声粛粛 夜河を過る
曉に見る千兵の 大牙を擁するを
遺恨なり十年 一剣を磨き
流星光底 長蛇を逸す