阪神タイガースが18年ぶりのセ・リーグ制覇でARE実現!
パ・リーグではオリックスバファローズが盤石の3連覇!
日本シリーズで59年ぶりに関西ダービー実現!
関西では「阪神なんば線シリーズ」というフレーズが飛び交い、トレンド入りしたとか・・・。
今年のプロ野球は関西が熱い!
盛り上がるプロ野球が関西にもたらすアツアツの経済効果について、摂南大学 経済学部 経済学科 郭 進(カク シン)教授に解説していただきました。
西宮における阪神優勝の経済波及効果についてもたっぷり語っていただきましたので、ご紹介します。
阪神タイガース優勝による経済効果
【関西圏における経済効果について】
まず、阪神タイガースの優勝が関西圏、特に西宮市に大きな経済効果をもたらすと言えます。関西大学名誉教授宮本先生の推計によれば、関西地域への経済波及効果は約872億円に達することが分かりました。
全国規模での経済波及効果は約969億円に上ります。
この推計結果から、阪神優勝の経済効果の約9割が関西地域に集中することが分かり、阪神タイガースの優勝が関西圏に著しい経済効果をもたらすことが示唆されます。
【西宮市における経済効果について】
西宮市における経済効果についての具体的な推計は提供されていませんが、兵庫県全体における経済効果については次に示します。
関西大学名誉教授宮本教授の研究では、都道府県ごとの経済波及効果については具体的には評価されていないものの、一般財団法人アジア太平洋研究所(APIR)が行った「2023年阪神タイガース優勝による地域別経済波及効果」の推計結果を紹介いたします。
この推計によれば、関西地域(2府8県ベース)全体での経済効果は687億円とされており、各府県別では、大阪府が306億円、兵庫県が172億円と、特に大阪府と兵庫県においてその影響が顕著であることが示されています。
宮本先生の推計結果と一般財団法人アジア太平洋研究所(APIR)の推計結果の違いは、新規需要の仮定に加えて、使用された産業連関表の種類の違いも影響している可能性があります。
経済効果(経済波及効果)のもとになる直接効果には、球場での観戦客による消費増、阪神ファンの居酒屋や自宅などでの消費増、百貨店やスーパー・商店街などでの優勝祝賀セールによる販売増などは大きな割合を占めています。そこで、阪神タイガースのファンが圧倒的に多い大阪府や甲子園球場のある兵庫県、そして阪神百貨店の存在する大阪と兵庫県において、優勝による経済効果が集中しているのです。
兵庫県における経済効果、特に球場での観戦客による消費支出などは、おそらく西宮周辺に集中していると考えられます。
西宮市の経済効果は、どのようなコンテンツがあれば効果が上がるのか?
西宮市における阪神タイガースの優勝による経済効果を最大化するには、市内における優勝に伴う新たな需要(消費)を促進することが非常に重要です。
市内における新たな需要(消費)を促進するには、主に次の2つの要素を考慮することが重要です。それは、市外からの甲子園球場での観戦客による消費促進と、市内の住民による消費促進です。
これらの消費を促進するためには、百貨店やスーパーマーケット、商店街などの商業施設におけるセールの実施やカウントダウンイベントなどのコンテンツが非常に有効です。
それに加えて、甲子園球場の観戦客が球場内から球場周辺や西宮市内全域へ消費を広げるための仕組みを整えることも重要です。
甲子園球場での観戦客の消費が球場内に限定されないよう、試合前後の時間に観戦客を球場周辺や西宮市全域へ誘導し、滞在時間を延ばし、市内における消費を増やす取り組みが重要です。
市内の住民、特に阪神タイガースのファンの市民の消費を促進することは非常に重要です。宮本先生の推計や一般財団法人アジア太平洋研究所の推計でも明らかになっているように、阪神タイガースの優勝による経済効果におけるファンの消費が非常に大きな割合を占めています。
市民が通常頻繁に訪れる場所(スーパーマーケット、商店街、飲食店、スポーツ施設など)で優勝に関連するイベントやセールを実施することで、市民の消費を促進しやすくなります。
阪神タイガースの優勝による経済効果は、阪神タイガースファンの市民性に大きく影響されることがあります。
市民性に応じた適切なコンテンツを提供することが、地域に一定の経済効果をもたらすための鍵となります。従って、市民の嗜好や習慣を把握し、それに合致したプランを立てることが成功につながるでしょう。
阪神優勝による甲子園周辺の商業施設の経済効果
甲子園球場の観戦客が試合の前後の時間に「コロワ」や「ららぽーと」などのショッピングセンターに立ち寄り、飲食や買い物を楽しむことで、これらの店舗の売上が増加します。
阪神の優勝を祝うためのカウントダウンイベントや優勝セールなどを実施する際、地域の住民だけでなく、広域からの買い物客が訪れることが期待されます。
これにより、地元の店舗にも大きな経済効果をもたらす可能性が高まります。
阪神vsオリックスが実現した場合の経済効果
関西大学名誉教授宮本勝浩先生の推計によると、日本シリーズの開催が実現し、最大7試合の観客動員、放映権料、日本一セールの売り上げなどの要因から、関西地域での経済効果は約109億円に達しました。
また、一般財団法人アジア太平洋研究所の推計に基づき、関西圏における経済効果の25%は兵庫県に関連していると見積もると、兵庫県における経済効果は約27億円になります。
兵庫県における経済効果は、甲子園球場と優勝セールなどを実施する阪神百貨店西宮店周辺に焦点が当てられていると考えられます。
したがって、2023年の日本シリーズが阪神とオリックスの関西勢の対決となる場合、関西地域は大いに活気づくでしょう。
スポーツの盛り上がりが経済に与える影響
近年、スポーツは地域経済への影響が大きいと広く認識され、スポーツ関連産業として注目されています。観戦スポーツ、実施スポーツ、スポーツと観光、地域振興によるスポーツ促進など、多くのテーマにおいてスポーツは地域経済における需要性が増加しています。
ラグビーワールドカップ2019と東京2020オリンピックの開催は、日本全体で熱狂を巻き起こし、国内外からの注目を浴びました。これらのスポーツイベントは、大規模な経済効果をもたらし、人々が興奮することで消費が促進され、経済活性化に貢献しました。
今回、阪神タイガースの優勝に関する経済効果の推計からも明らかになる通り、スポーツが盛り上がると経済効果が大幅に増加します。これは、スポーツの盛り上がりが通常よりも多くの消費を誘発するからです。
例えば、阪神の優勝によって野球が盛り上がると、球場の観客動員が増加し、球場内での飲食代やグッズ代が上昇するため、観戦客の消費額も増加します。これらの要素が合わさって、球場内での消費が増加します。
阪神優勝によって最も経済効果を受ける場所
宮本先生の阪神タイガース優勝に関する経済効果の推計結果から明らかなように、阪神の優勝による経済効果が最も大きな影響を及ぼすのは関西圏です。
さらに、一般財団法人アジア太平洋研究所の推計結果からも明らかなように、関西圏内で大阪府と兵庫県は圧倒的に経済効果が大きい地域です。大阪府と兵庫県は、関西圏全体に占める経済効果の割合がそれぞれ45%と25%に達しています。
摂南大学 経済学部 郭 進(カク シン)教授
所属 :経済学部 経済学科
職位 :教授
学位・資格 :博士(経済学)
研究分野 :応用計量経済学、エネルギー経済、国際マクロ経済
編集後記
その昔、西宮北口にスタジアム(現在の阪急西宮ガーデンズ)があって、阪急ブレーブスが活躍していた頃、つまり、西宮に2つの球団があった頃、阪急と阪神がセ・パの雄として日本一を争う「今津線シリーズ」が市民の夢でした。
【参考】かんべむさし氏の「決戦日本シリーズ」➡
叶うことなく夢で終わった日本シリーズですが、59年ぶりの関西ダービーとなった今年の日本シリーズは西宮市民にとって感慨深いものがあります。
阪神タイガースの優勝がもたらす経済効果は日々実感しています。
甲子園で試合のある時には、ららぽーと甲子園にある「クリエートにしのみや」で配布しているマンホールカードを求める人にユニフォーム着用の方が増えます。
クライマックスシリーズの試合期間にも急増しました。
クライマックスシリーズでは、遠方から試合観戦に来た人たちで、泊まりの人も多いようでした。
もちろん、ららぽーと甲子園の館内にも人がいっぱい。
一体どれほどの経済効果があるのだろうか?どなたかに聞いてみたいと思っていました。
ご縁があり、摂南大学の郭進教授にコメントをいただけることになりました。
西宮市に特化した数値までは算出されていませんが、西宮に経済波及効果をもたらすヒントもいただきました。
確かに、西宮では、カウントダウンやパブリックビューイングなどの集客イベントがあまり行われていません。
お隣の市では盛り上がっていますが、それも市民性と言うものでしょうか??
11月27日には、岡田彰布監督や一部選手が参加する優勝報告会が市役所付近で開かれることが発表されていますが、市を上げての盛り上がりとなって、市内での消費喚起につながればいいですね。
郭教授の提言を生かして、来年は西宮らしい取り組みで経済効果が上がりますように!!
阪神タイガースは常勝軍団となって、来年もきっとAREするでしょうから。
第一弾は、早々に完売となった記念乗車券セット。
第二弾は10月28日から販売、沿線各駅の駅長室で販売予定!!