県と市が一緒になって造られるという新病院・県立西宮総合医療センター(アサヒビール跡地)で遺跡の発掘調査が進んでいたが、2022年11月13日(日)に一般向けの現地説明会が行われた。
以前から、ここには前方後円墳の津門大塚山古墳があったと言われてきたが、アサヒビールがなくなり、新病院建設前のこの時期に初めて発掘調査が行われ、前方後円墳ではなかったが、たくさんの埋没古墳が見つかった。
アサヒビール跡地の一角の東側にはすでに様々な建物が建っているが、そのあたりも建設前の2015年頃に調査され>>鎌倉時代の井戸や牛や人の足跡がたくさん残された場所も発掘されている。
今回は西側の調査が進み8基の埋没古墳群(円墳や方墳)や形象埴輪、馬や牛の歯、祭祀を行うための場所ではないかとされる建物の柱跡などが確認された。
殆どが1辺3〜10メートルの小型方墳であったが、一番大きいものは全長約21メートルの円墳で、祭祀場所と思われる方形の「造り出し」が設けられており、この地域の首長が埋葬されたのではないかと考えられるという。
この古墳群は、6世紀の古墳時代に造られ、7世紀の飛鳥・奈良時代にはすでに埋められていたと推測されている。
また、現在の新病院建設予定地が海抜約6mで、埋没古墳群はここから約2m下がり、古墳群の下は海の堆積物などの地層になっているようだ。
古墳を囲む周壕からは、埴輪や須恵器などが大量に見つかった。また、死者と一緒に葬られたとのではないかと思われる牛や馬の歯も見つかった。
牛と馬が一緒に見つかるのは珍しいことだ・・・という現地説明をお聞きした。
津門地域には、津門大塚山古墳と津門稲荷山古墳の2基の前方後円墳があったとされてきたが、古墳の実態が今回の発掘調査でかなり詳細になった。