今津灯台は、日本最古の木造灯台としてとして現役で活躍中だが、灯台の沖に新川の新しい水門の工事が進み、現在の場所からもう少し沖の水門の外側に移設する必要ができたことで、2023年8月10日に消灯式が行われた。
今津灯台は、元々、大関酒造の長部家五代目長兵衛氏によって1810年に、お酒を積み出す今津港の建に出入りする船の安全のために、四国金毘羅宮の灯明をいただいて常夜灯として建てられた。
現存する建物は1858年に6代目長部文次郎氏が再建したもので、200年以上の歴史を背負っている。
大正時代に電化されるまでは、毎夕2合の油を運んでいた時期が長くあったという。
(今はLEDになっている。)
1965年に解体復元されたが、1968年に海上保安庁に民間灯台として正式に認められ「大関酒造今津灯台」となって登録されている。
1974年には、西宮市指定重要文化財にも指定された。
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兵庫県が南海トラフ地震の津波や、台風の高潮の被害軽減のため、2014年から工事を始め、現在の灯台の少し沖に新しい巨大な水門が姿を表している。
今後は、同じ場所に流れ込む東川と新川それぞれの排水機場も統廃合され、新しい防潮堤などもできるという。
新しく移転する灯台の場所は、これまであった新川の右岸から対岸になることから、灯台の灯は左岸を示す赤い灯となるようで、この日の消灯式が緑色の灯の見納めとなった。
今月下旬には、石積みの上に立つ木造部分が先に取り除かれ、下の石は一つづ番号がふられ、移転先には今と同じ形に組み直されるという。
その基台の上で、再び赤い火が灯るのは2024年2月初旬。
しばらくの間、今津港から灯台の灯が消える。