少し前からとても気になるインスタグラムがあった。
靴磨きのビフォー&アフターの靴が、いろんな場所に置かれた素敵な写真が次々にアップされる。
ご本人のプロフィールを見ると宮っこで『サラリーマン×靴磨き活動』とあり、イベントにも出店するという。ますます気になる・・・・・・・・。
ということで取材を申し込み、靴磨きに使う道具がきちんと入っている小型のキャリーバッグを引いたシュっとした吉田剛さんと出会った。
「おしゃれは足元から・・・って言いますよね。でも靴ってすご〜く気にする人とそうでもない人に分かれると思うんです。私は平日はサラリーマンで営業職なんですが、新入社員の頃にはどうせよく歩くから靴なんて履き潰せばいい!!と思ってました。」
そんな吉田さんが靴が気になるようになったのは、友人の結婚式に向けて購入した革靴がきっかけだった。
「しっかりした作りとサイズ感が合う靴を履いた時、こんなに歩き易いんだ・・・って驚いたんです。それで、営業にも履くようになって!! 履いてみると、気持ちが引き締まると同時に足も疲れにくくなり仕事に良い影響が出ることを実感するようになりました。足は体全体を支えているんですものね。」
そんな吉田さんが靴磨きに目が行くようになったのは、ある日すり減ったソールを換えてもらおうと靴屋さんに持っていったら「これは修理出来ません。」と言われたことだったという。
ソールを交換するためには、上の革の状態がよくないと修理ができないということがわかり、そこから靴のケアや保管方法の大切さに気づき、靴磨きを独学で勉強し、習慣にするようになった。
そんな頃、ファッション誌を読んでいた時に「世界初のカウンタースタイルの靴磨き」という記事が目にとまり、同世代のかっこいい靴磨き職人という存在に衝撃を受けた。
「靴磨きの世界大会があるということにも驚きました。そして、その方はその世界大会で優勝されているんです。同世代ということもあって、気になって靴を磨いていただいたんですが、とても感動したんです。」
さらに靴磨きへの思いが強くなった吉田さんは、自らも靴磨きを通して多くの人に感動を与えたいと思い、プロの職人のセミナーを受けたりしながら、独自でスキルを向上させていった。
「 最初は、友人の靴を磨かせてもらいました。『なんで靴磨き??』という反応でしたが、磨かれた靴を見ると驚きと喜びの反応が返ってくるんです。」
ともすれば暗くなりがちなコロナ禍だが、靴をきれいにすることで少しでも明るい話題になればいいという思いから、間借りの靴磨きもスタートさせた。
ご縁に恵まれいろいろなお店やイベントなどで、靴磨きで盛り上げたいという願いも込めてコラボレーションしている。
地元西宮に目を向けるようになると、西宮の素敵な店や人にも出会う。
「win-winになれるお店や、人との出会いが嬉しいです。」
こうして、平日はサラリーマン、週末は靴磨き活動・・・という吉田さんのスタイルが完成した。
「私たちもお肌のケアをしますよね。靴のケアもほぼそれと同じなんです。好きな革靴にもたまにはクリームを塗ってあげてください。靴用のクリームがなければ、お使いのハンドクリームでも構いませんから・・・・。」
埃を払って、クリームを塗ってあげる。
吉田さんとお話ししていて、改めて自分の足元を見つめ直してみようと思った。
吉田剛さんのインスタグラムはこちら>>
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