2026年7月1日に開院した「兵庫県立西宮総合医療センター」を見学しました

2026年7月1日、西宮市津門大塚町に「兵庫県立西宮総合医療センター」が開院しました。通常の外来診療は7月13日から始まります。場所は阪急「阪神国道」駅から徒歩すぐ。JR「西宮」駅や阪神「今津」駅からも徒歩圏内にあります。

兵庫県立西宮総合医療センター(以下、新病院)は、兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院が統合してできた病院で、両病院が担ってきた医療を引き継ぎながら、西宮市域や阪神圏域の高度急性期・急性期医療を担う新たな中核的病院として整備されました。

病床数は552床、診療科は35科となり、救命救急センター、ロボット手術センター、地域周産期母子医療センター、腎疾患総合医療センターなど、さまざまな専門的医療につながる体制が整えられています。

今回は、開院に先立ち6月21日に行われた見学会・内覧会に、西宮流のライター・中道が参加した様子をレポートします。

目次
  1. 外来も入院も、落ち着いて過ごせる空間に
  2. 最新設備は、患者さんの負担を減らすために
  3. 救急ワークステーションも併設。医師と救急隊がより早く現場へ
  4. 取材後記

外来も入院も、落ち着いて過ごせる空間に

1階東側の病院入口を入りエスカレーターで2階にあがると、右手に総合受付と中央待合が広がっていました。見学会の日はまだ待合の椅子などは設置前でしたが、再来受付機や自動精算機が並び、実際に外来診療が始まったあとの様子が少し想像できました。

受付窓口

受付の向かいには大きな窓があり、外の景色がよく見える開放的な空間になっています。エスカレーターを挟んで受付と反対側にはローソンがあり、ちょっとした買い物に利用できます。軽食に加え、衛生用品や介護用品、急な入院にも対応できる日用品なども用意されているそうで、患者さんや付き添いの方にとって心強い存在になりそうです。

インフォメーション

また、2階には立体駐車場から屋根付きの渡り廊下がつながっており、雨の時でも濡れずに院内に入ることができるそう。通院や付き添いの方の負担を減らすための配慮がうかがえます。

受付の先に進むと、外来診療科のスペースが続きます。外来の待合椅子は、座った姿勢から立ち上がりがしやすいよう、座面の高さや角度が工夫されているのだとか。

外来の待合

大きな病院では、受付、診察、検査、会計と、院内での移動が多くなりがちです。新病院では、外来受診に関わる受付や診療科が主に2階フロアに集約されています。動線がまとまっていることで、高齢の方や体調のすぐれない方、付き添いの家族にとっても移動しやすくなりそうです。

診察室

外来では、手元のスマートフォンから待合人数を確認できるアプリも導入されるとのこと。診察までの時間を院内外で自由に過ごせるようになると、患者さんのストレス軽減にもつながるかもしれません。

アプリのイメージ画像
※画像はイメージです。実際の表示内容とは異なる場合があります。

新病院では5階から10階が病棟になっています。今回の見学会では10階の病棟を見学させてもらいました。

外来の様子

病室や廊下は全体的に落ち着いた印象で、多床室や個室、特別室など、さまざまなタイプの病室がありました。

病棟の個室
病棟の多床室

さらに入院患者さんや家族、面会の方が利用できるデイルームもあります。見学会の時点ではまだ設備がそろっていませんでしたが、後日確認したところ、椅子やテーブル、自動販売機、ウォーターサーバーなどが設置されていました。休憩や気分転換に利用できるスペースになりそうです。窓からは、遠くにあべのハルカスも見えました。

デイルームから見た景色

外来フロアや入院病棟を見学して印象に残ったのは、建物の中が明るく、落ち着いた雰囲気でつくられていることでした。院内は緑やブラウンを基調とした色合いで、病院特有の緊張感を少しやわらげてくれるような空間になっていました。

最新設備は、患者さんの負担を減らすために

新病院では、手術支援ロボットをはじめとする高度な医療機器も導入されています。「ロボット手術」と聞くと、ロボットが自動で手術をするように思う人もいるかもしれませんが、実際には医師が操作しながら行う手術です。ロボットは、医師の手の動きをより細かく、正確に支えるための機器なのだそう。

手術支援ロボット

新病院では、泌尿器科、消化器外科、婦人科、整形外科で手術支援ロボットを導入しています。症例によって適用できるかどうかは異なりますが、傷口を小さくできる場合があり、術後の回復が早まることもロボット手術のメリットの1つだそうです。

人工関節手術で活躍するロボット

もうひとつ、新病院で新しく導入された大きな設備が、救急外来に備えられた「ハイブリッドER」です。ハイブリッドERとは、救急処置を行う部屋に、CT撮影や血管撮影、手術に近い処置ができる機能を一体化した設備です。従来であれば、救急搬送されたあとにCT室へ移動し、必要に応じて手術室やカテーテル室へ移ることがありました。しかし、重症の患者さんにとっては、その移動時間や移動そのものが負担になることもあります。

ハイブリッドERでは、患者さんを大きく移動させることなく、診断から治療までをより早く進めることができます。特に、出血や外傷など一刻を争うケースでは、時間のロスを減らせることが大きな意味を持ちます。

ハイブリットER

兵庫県内でハイブリッドERを設置しているのは、兵庫県災害医療センター、兵庫県立はりま姫路総合医療センター、そして西宮総合医療センターの3施設とのことです。

救急ワークステーションも併設。医師と救急隊がより早く現場へ

救急体制の面で、もうひとつ注目したいのが「西宮市消防局救急ワークステーション」です。これは、新病院の敷地内に設置された施設で、西宮市では初めての運用となります。市内にある12台の救急車のうち2台が、救命救急センターに隣接するこの場所を拠点にするのだそうです。

救急ワークステーション

これまで西宮市のドクターカー運用では、救急隊が医師を迎えに行ってから現場へ向かう「ピックアップ方式」がとられていました。新しい「ワークステーション方式」では、病院敷地内の救急ワークステーションから、医師と救急隊が同時に救急現場へ向かうことができるため、医師による医療処置が必要な場面で、より早く現場にたどり着ける可能性が高まります。病院と消防が近い距離で連携できるこの立地は、全国的にも珍しい体制だそうです。

救急医療は、日常生活では意識することが少ないかもしれません。しかし、いざというときの体制が整えられていることは、市民にとって心強いことだと感じました。

取材後記

開院前の病院に入らせてもらう機会はそうそうなく、とても貴重な経験になりました。また、普段病院に行くときは、自分や家族が受診する診療科、検査室、会計など、関係のある場所しか訪れることがありません。しかし今回の見学会では、一部ではありますが病院全体を見せてもらうことができ、病院の中でどのような医療が行われ、どのような人たちが支えているのかを、少し身近なものとして受け止めることができました。

見学会入口

実はこの見学会には、小学3年生になる息子も一緒に参加しました。息子は県立西宮病院で生まれ、市立中央病院の小児科にもお世話になったことがあります。その2つの病院がひとつになり、新しい病院として開院する。その場所を息子と一緒に見学できたことは、私にとっても感慨深い時間でした。

病院の中を見ることは、子どもにとっても、地域の医療を知るきっかけになります。普段は見えにくい医療の現場を少しでも知ることで、病院という場所が、暮らしを支える大切な存在であることをあらためて感じました。

■兵庫県立西宮総合医療センター
西宮市津門大塚町11番62号
阪急「阪神国道」駅から徒歩約2分、JR「西宮」駅から徒歩約11分、阪神「今津」駅から徒歩約14分
※通常の外来診療:2026年7月13日(月)から開始
https://nishinomiya-gmc.hyogo.jp

西宮流のメールマガジン 購読無料

西宮流のメールマガジン

新着・おすすめ記事や
プレゼント情報が届きます。
ぜひご登録くださいね。

» メルマガ登録の説明

こちらの記事もおすすめです

西宮流 (にしのみやスタイル) の新着記事