レオポンの剥製/ジョニーが綺麗に雄々しくなって帰ってきたよ!!

レオポン

長らく(旧)リゾ鳴尾浜に展示されていたレオポン/ジョニーの剥製が、きれいになって戻ってきた。
西宮市の公園緑地課が開催した、7月13日に行われたお披露目イベントに参加し、修復の過程の話も含めて当日の様子をレポート!!

ジョニーの剥製、修復・復元過程の話

2020年にリゾ鳴尾浜が閉鎖された後、ジョニーのその後を心配する声も多かった。
「メールや電話など、レオポンに関しては今でもお問合せをいただきます。私たちもリゾ鳴尾浜が閉館した後、ジョニーの剥製のことがとても気ががりでした。「レオ吉」と「ポン子」がいる天王寺動物園などにも連絡しながら、今回修復作業をしていただくことになったNPO法人大阪自然史センターをご紹介していただき、保管のコツなどもご指導いただきました。甲子園/鳴尾エリアの歴史にも深く関わっているレオポンの剥製を、次の世代に引き継いでいかないといけないと思っています。」と市の担当課の職員。

こうして昨年、NPO法人大阪自然史センターの手によって剥製の修復作業が始まった。

「剥製の修復・復元にはいろいろな手法がありますが、今回のレオポンは唯一無二の剥製であることや、ジョニーを愛する多くの方々の記憶や写真の中にあるジョニーを忠実に再現することを大切にしてきました。」と修復作業を担った大阪自然史センターの西澤真樹子さん。

長い間、光が降り注ぐ環境の(旧)リゾ鳴尾浜にいたジョニーは、かなり日焼けしてヒョウの特徴の体の柄も薄くなっていた。

綺麗になった剥製のジョニー
レオポン(前田さん提供)
2015年当時のジョニー
リゾ鳴尾浜レオポン

幸いにもとても分厚いガラスケースに入っていたおかげで、虫がつくこともなく、また、洗浄液などを使って綺麗にすると体の元のもようが少し見えてくるようなってきたり、色も実際に残っていたお腹側の色を参考にしたり、これまでのさまざまな写真を活用したりして、出来るだけ剥製になった24歳まで長生きしたジョニーの当初の姿の再現に努めたという。

レオポン
鹿皮で確認しながら・・・

「今後の展示も考えて、日焼けにも強くなるようにアクリル絵の具のエアブラシで少しずつ修復しました。同じ毛皮はありませんので、鹿の皮で試しながらの作業になりました。今回の修復/復元でお腹の側に残った色味を元に体の色も調整し、背側と腹側のコントラストや立髪の色味、野生ネコの特徴を示す耳の裏側の白斑も蘇りました。」と西澤さん。

今回の復元では、髭一本も足さなかったが、目立っていた左前足の爪が無くなっていた跡はヒョウとライオンの爪を樹脂で型取りしながら、大きさなども調べ新しく取り付けられた。

楽しく分かりやすく説明してくださった西澤さん

とてもレオポンに愛を持って作業してくださったことが感じられる西澤さんの説明を聞きながら、きっとジョニーも喜んでいるだろうとふと思った。

レオポンの特徴

レオポンとは、ヒョウとライオンの間にできた雑種。
ヒョウの「甲子雄(かねお)」とライオンの「園子(そのこ)」の間に、5頭の子どもたちが阪神パーク(現在のららぽーと甲子園の場所にあった)で誕生した。
1959年に「レオ吉」「ポン子」が生まれ、1961年には「ジョニー」「チェリー」「デイジー」が生まれた。
「デイジー」は9歳、「ポン子」は15歳、「レオ吉」「チェリー」は16歳で亡くなったが、ジョニーは24歳まで長生きし1985年7月に亡くなった。
ジョニーは「市民に夢を与え続けてきたことと長寿を讃えて」死後に感謝状が送られたようだ。

レオポンの特徴
※体格と頭、足はライオン似
※胴と尾は細長くヒョウ似
※体重はオスもメスもライオン並み
※性質はヒョウ似。木登りも巧み
※毛の色はライオン似の淡い黄色
※ヒョウ柄はくっきり出るが、柄の色は薄い
※肩のつむじは、ヒョウは前側/ライオンは後側だが、レオポンは5体中3体はどちらもある(つまり、つむじが2つある)

綺麗になった剥製のジョニー

「レオ吉」「ポン子」は天王寺動物園で保管。
「チェリー」「デイジー」とお父さんヒョウの「甲子園(かねお)」、お母さんライオンの「園子(そのこ)」4頭の剥製などは国立科学博物館標本資料センターで保管されている。

イベントの様子〜「ジョニー」を描いてみよう〜(7月13日)

この日は4回に分けてイベントがあった。
募集より多くの応募があったが、なんとか4回に振り分けて受け入れたようで、会場は子ども連れのファミリー参加が多かった。

レオポン好きのパパママと一緒にきた子どもたちも、すぐ目の前にある展示ケース内のレオポンにテンションが上がっていた。

剥製修復過程の話などがあった後、最後には、色ぬりしたり描いたりして作ったレオポンの缶バッチを手に家路についた。

レオポン剥製の今後

レオポンの剥製は、一つの歴史を次の世代に伝えるものとして今後も大切に展示する方向で考えられているようだ。
ただ、今現在で展示の場所や時期などはまだ決まっていない。

現在「鳴尾浜臨海公園南地区再整備事業」として(旧)リゾ鳴尾浜を含むエリアの民間事業者による再整備が検討されている。
この再整備の行方とレオポンの展示場所が関係することになるのかどうかなどもわからないが、市としては鳴尾・甲子園エリアのしかるべき場所での展示を模索しているようだ。

展示を前提に修復されたレオポンの剥製が、1日でも早く多くの人の目に触れるようになって欲しいと思う。

投稿日時 : 2025-07-15 08:13:00

更新日時 : 2025-07-15 16:33:59

この記事の著者

編集部|J

『西宮流(にしのみやスタイル)』の立ち上げ時からのスタッフ。
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