学びの場を街のあちこちで展開しているNPO法人なごみが主催する『Machigakau(まちがく)』のひとの授業が2026年2月1日にあった。
この日のゲストは兵庫県立芦屋国際中等教育学校後期2年/カヌー部の高橋慶丞(たかはしけいすけ)さん。
カヌーマラソンの日本代表としても活躍している17歳の高校生のまっすぐな挑戦と思い、そして未来への眼差しを記事にさせていただいた。
高橋慶丞さんがカヌーに出会うまで
「2015年ラグビーワールドカップでの五郎丸歩さんに憧れて、ラグビーを始めたんです。当時、僕は小学校1年生でした。世界で活躍する選手になりたい!!と思ったんです。」と話す宮っ子の高橋慶丞(たかはしけいすけ)さんは、現在、兵庫県立芦屋国際中等教育学校後期2年生。
今はカヌー部で、スプリントやカヌーマラソン競技の選手。
そして、カヌーマラソンでは日本代表としてアジアやヨーロッパでも戦っている。
2015年のワールドカップといえば、世界ランキング3位の南アフリカに勝ち、一気にラグビー熱が日本中に広まった年だった。
あの時の五郎丸さんは、独特のフォームと共に子どもたちにも大人気だったが、高橋さんのすごいところは、この時すでに”世界”を感じていたことだろう。
五郎丸さんに憧れた少年は、甲東ラグビークラブに入った。
「今の僕があるのは、あのスクールでの教えが大きかったと思います。練習への取り組み姿勢などはここで学びました。」

自慢の孫を見つめる目線のインタビュアーの通称:ゆうさくさん
高橋さんがいた6年間、甲東ラグビークラブは県大会では毎年優勝していて、高橋さんが6年生の時には全国大会で優勝に輝いた。
そのままラグビーの道を進むか? 小さい頃から考えていた”世界”を求めるのか?
そんな様々な選択肢の中で選んだ学校で、カヌーと出会った!!
「僕はラグビーの時もですが、人への憧れから入りました。当時高校生だった先輩の、自分の芯を持ち全力でプレーする姿に惹かれました。カヌーの魅力は、技術やパワーも大切ですが、日本ではまだあまり普及していないので、たくさんの選手とお互いに知恵を絞り、自分に合うメニューを考えること、そして仲間や指導者、日々関わる人を大切にする精神を養えることだと思います。」

「身長は低い方なので、それがハンディでもありますが、ハンディは個人の特性という強みにもなるんです。弱点を克服する・・・というより、弱点を利用するという考え方ですね。」
甲東ラグビークラブで教えてもらったマインドセットも、とても役立っていると言う。
中学になった頃はコロナ禍で、大会も少なく練習もままならなかった。
なかなか結果も出せずに苦しい時期だったようだが、ラグビーで鍛えた足腰や体幹は役立ったようで、高校生になった頃からは花開き始めた。
そして、昨年は日本代表としてアジア選手権や世界大会に出場する選手へと成長した。
カヌーマラソンとは・・・
カヌー競技には実に様々な種目がある。
高橋さんが競技しているのはスプリントとカヌーマラソン。
カヌー競技といえば、水路をヨーイドン!で競ったり、激流を漕ぐスラロームなどをイメージしていたが、カヌーにマラソンがあることに驚いた。
カヌーマラソンは川、湖、河口、海などを組み合わせて設定されたコースで行われます。
マラソンという名のとおり、長距離を漕ぐレースですが、近年では、概ね3㎞の周回コース内に人工のポーテージ(陸路運搬)を設定して漕ぐ+艇を持って走るスタイルで行われる場合が多く、より観客が楽しめるように発展してきました。
公益社団法人日本カヌー連盟公式ウェブサイトより
カヌーマラソンの一番大きな特徴は、カヌーを担いで陸を走る場面があることだろう。
「より観客が楽しめるように発展してきた!」と言うことなので、艇を担いで走ると言うところに面白さがあるのかもしれない。
カヌーを担ぐ時のルールはないようだ。
その人の体格や、残っている体力を考慮して担ぎ方を変える人もいるようで、高橋さん自身もカヌーマラソンでは疲労を分散させる事を考えるのが大切だと話す。

ラグビーもそうだが、カヌーでも”小柄”と言うのは、やはりハンディのほうが大きいんじゃないか??
そんな疑問にも、高橋さんはポジティブに答えてくれた。
「漕ぎ方って、その人の体によって変わるんです。僕は瞬発力はあると思ってます!!」
カヌーマラソンで一番好きなところってなんでしょう??と問いかけたら、こんな返事が返ってきた。
「カヌーマラソンの好きなところは、40艇ほどが一斉にスタートし、選手同士が様々な駆け引きをしながら心は熱く、頭は冷静にプレーをする一種の心理戦の様な所が、他のスポーツとは異なり、面白いポイントだと思います。」

いちばん向こうの白い帽子が高橋さん。
ポジティブ思考はどうやらお母さん譲りでもあったようだが、さまざまな受け答えの場面で返ってくる前向きな言葉は、その場にいる人たちを幸せにすると改めて思った。
高橋慶丞さんの将来の夢は・・・
「今、少し学術調査を始めているんです・・・」
高校生の高橋さんから、思ってもみなかった言葉が飛び出してきた。
どうやら「競争と教育・・・」のようなことを考えているようだ。
「人間形成に教育はとても重要だと思います。一方で、競争・・・というと厳しい環境で勝つことだけを考えているとネガティブに捉えられることが多いですが、考え方を変えたら人生を豊かにすることでもあると思うんです。僕は競争の過程が大切だと思っています。」
幼い頃から海外を意識し、外国人も多い環境の学校に行き、海外での競技の場も経験したからこそ、”幸福度”とか”システム”とかで日本と海外の違いなども実感として感じているのだろうか??
それにしても、高校二年生で”学術的に調査している”と言う言葉が飛び出してくるのは、高橋さんの大きな魅力だろう。
将来は、自分が考えている研究ができる大学を目指しているという。
今、まさに冬季オリンピックが開催されている。
最近の選手たちをみていて「日本人も変わったな!!強くなったな!!」なんて、古臭い感想しか持たずに選手たちを眩しくみている筆者は、目の前でハッキリとポジティブに受け答えする高校生の高橋さんに、ただただ感心するしかなかった。

でもいつもポジティブな高橋慶丞さん
この日、全日本のジャージ姿で登場してくれた高橋さん。
「今年はインターハイが兵庫県であるので、まずはそこが目標ですが、ナショナルチーム入りを果たしたいです!!」
日本も変わって来た・・・と言われてはいるが、スポーツを育てる環境やスポーツに身を置く人を支援する環境は、まだ日本は遅れていると聞く。
高橋さん自身も、そんなことも体験しているのかもしれない。
どんな分野であれ、世界に羽ばたこうとしている若者に優しい日本であって欲しいと思う。
Machigaku(まちがく)のひとの授業
Machigaku(まちがく)とはNPO法人なごみが主催している町全体を、街に住む人たちを巻き込んで学びの場にしたいという試み!
企業や団体も巻き込んで、さまざまなテーマで年間100近い授業を展開している。➡︎
今回、高橋慶丞さんのの企画をしたのは「ひとの授業」のチーム!
「これまでのひとの授業で最年少です」と笑うチームのリーダーの村松賢一さんにお聞きしました。

①「ひとの授業」を主催されている狙いは?
➡︎そもそもこの授業は、地元西宮で活躍されている、西宮に縁のある、興味深い「ひと」をお呼びして、その方から様々なお話を伺いながら、参加者と一緒に考え、学び、対話していく授業として3年前に始めました。
(A)面白い活躍をされている西宮の「ひと」のお話が聴けて、何らかの体験もできて、その人とも参加者同士も繋がれる
(B)その人の生き方・働き方・考え方に触れて、自分自身にも刺激をもらえる
(C)結果的に西宮というまちや人に愛着と誇りが持てるようになる!
② 3年されてみて、今、お感じになっていることがあれば教えてください。
➡︎私にとって、企業での生活(単身赴任)に終止符を打って、18年ぶりに西宮に戻ってきて、全くこの地元に知人も関係先もなかった訳でしたが、この活動のお蔭で沢山の知り合いや関係先が増えました。
またそうした魅力的な「ひと」との出会いを通じて、西宮というまちに、そこに暮らす「ひと」にも随分と愛着が湧いてきたことは紛れもない事実です。
とにかくこの授業の企画・運営を一緒にやっているメンバーにもすごく親近感やチームワークが芽生えてきたことも私のリタイア後の大きな財産になっています。

③ まちがくの魅力を教えてください。
➡︎私自身はこの「ひとの授業」以外に、「ネッツトヨタ神戸さんとのプロジェクト授業」のコーディネーターもやっています。
私自身、まちがくを通じて、魅力的な「ひと」との出会いもそうですが、地元の企業さんともフラットにお付き合いさせていただき、企業人としてのスキルや経験も活かす場を与えてもらっています。
また普段お付き合いのないような大学生の皆さんともこの授業を通じて、色々なやり取りをさせていただいて、世代を超えた交流をさせていただいています。若い方の発想やエネルギーは私のようなエルダーにとっても大きな刺激になっています。
とにかくこの「まちがく」というプラットフォームには出会いあり、スキルや経験を発揮する場があり、世代を超えたつながりもあって、さらに当然学校ですから新しい学びもあります。私としては、自分がそうであったように企業をリタイアされた「定年後シニア」の皆さんにこそ、こうした場に飛び込んできてほしいと切望しています!
村松さんからは、熱いメッセージもいただいた!
きっと、この熱量が Machigaku(まちがく)➡︎の魅力なのだろう。
そんな Machigaku(まちがく)2025年度の締めくくりとしての全校集会が2026年2月28日(土)に武庫川女子大学内のMM館マルチメディアホールで開催される。
これまで Machigaku(まちがく)にご縁がなかった方の参加もOKなので、覗いてみるのもおすすめ!!
きっとあなたの世界が広がるはず^_−☆
今年度も多くの学びが生まれた Machigaku(まちがく)の全校集会
【日時】2026年2月28日(土)13:30〜17:00
【場所】武庫川女子大学内のMM館マルチメディアホール
【主な発表授業・プロジェクト】
・西宮阪急×まちがく プロジェクト授業
・ネッツトヨタ神戸×まちがく プロジェクト授業
・阪神園芸×まちがく プロジェクト授業
・コープこうべ×まちがく プロジェクト授業
・ウェルビーイング阪急阪神×まちがく プロジェクト授業
・さくらFM×まちがく プロジェクト授業
・生成AIの授業チーム
・ひとの授業チーム
・企業の授業チーム
・防災の授業チーム
・スポーツの授業チーム
・多文化、国際の授業チーム
・まちがく調査チーム発表
・プレみや「まちがく部」など
【参加資格】興味のある方ならどなたでも!!
【申込方法】https://forms.gle/kmsMb2CVG7kUyRf26
写真提供:高橋慶丞さん/田村幸大さん


























