市内にはあちこちに一本松があるが、そのうちの一つ。
松の根元には「史跡往古武庫菟原郡界傳説地」と記されており、この場所が、武庫郡と菟原郡との郡界であった。
谷崎潤一郎の『細雪』に書かれて有名になった一本松。
細雪の中ではこの「一本松」のそばに、妙子の恋人・奥畑が住んでいたことになっている。
松の下には「一本松地蔵尊」と刻まれた細長い石碑があるが、近くの用水路に架かっていた石橋であったと言われている。
この碑の上部に、出雲の藩主「堀尾茂助」の家紋である分銅型の刻印がみえる。
大坂城築城の際に刻まれたものであるとされている。
この分銅型の刻印から、このすぐ近くが「分銅町」という地名になっている。