桜が「市花」である西宮は、桜のきれいなところが多いのですが
関学前の『学園花通り』も関学の時計台や甲山を借景に名所の一つですね。
ここも桜が満開の頃は、絶好の写真ポイントです。
関学は1929年にここ上ヶ原に移転してきましたが、正門前の道から時計台、甲山という一直線の軸を中心に考えてヴォーリズ建築が配置されています。
今では『学園花通り』という名前がついた道路になっており、近年はその景観を大切にしようと両側の電柱が地中化され、桜の時期の写真も電線がなくなり空が広く美しく桜がさらに映えています。
ところでこの桜は、一人の市民が植え始めた桜並木だってこと御存知でしたか???
実は昭和28年に上甲東園に引っ越してこられた、それまで西宮署長だった林勇さんが、こつこつと自費で植えられたものが最初たっだ。
警察署長をやめられた林さんがここに引っ越してこられ、周りがあまりに殺風景な事から自費で桜の木を約80本植えられました。
枯れたり、踏まれたり、折れたりする若木をコツコツと植えたり手入れされたことが、今の景色に繋がっています。
この写真は、2010年3月28日のイベントの時に飾られていた当時の林さんのお姿。
場所は甲陵中学校のあたりかと思われる。
それから60年以上の年月を経て、今では『学園花通り』と名付けられた場所は、西宮でも桜の名所の一つとなっています。
2009年にNHKの元気列島という番組で「父が残した桜並木」として関学の学園花通りが放送され、この放送がきっかけで、学生時代『みちくさ』でお世話になっていた杉原左右一氏(2010年当時関学の学長)の呼びかけで、学生時代『みちくさ』でお世話になった約40人が2010年3月28日に集まり、杉原さんから野橋さん(林さんの娘さんで、みちくさの女将)に関学の時計台の絵が贈呈されるというイベントもありました。