「ワンカップ大関」は大関酒造の代名詞でもあり顔のような商品だが、「ワンカップ」が発売されたのは昭和39年(1964年)のことだったようだ。
長らく瓶だったワンカップが、軽量紙容器になったのは1981年。
今回、紙カップとPETカップを組み合わせた複合容器が採用され、2024年7月下旬より順次出荷されていくという。
「ワンカップ」は大関の商標登録
東海道新幹線が開通し、東京オリンピックが開催された年に販売開始したワンカップ大関は、当時の言葉でいう「ヤング」層へのアプローチを意識し、ビールやウイスキーのように飲んでいる人がお酒の銘柄が分かるような工夫!を意識したようだ。
それまで、広口瓶がなかった日本での開発は障害も多かったようだ。
ジャム用の広口瓶を使うことになった後も、ジャムのようなパッキンや蓋では、日本酒の味にとって不具合が多く、蓋の改善にも苦労があった。
コップのままストレートに清酒を飲むことができる手軽さ!
手軽に飲めるようにワンタッチで開けられる蓋!
数年の生みの苦しみのなか、昭和39年(1964年)10月10日に販売が開始された。
その後、1966年にはキヨスクで販売が始まり、1967年には業界初の自動販売機が設置され一気に人気商品となっていった。
軽くてエコなパッケージへ
日本酒=瓶という考えも、様々な商品開発や環境に配慮する考え方など時代の推移とともに紙パックも珍しくなくなり、1981年には「ワンカップ」も紙パックが登場することになる。
軽量紙容器のため持ち運びしやすく、飲んだ後は可燃ゴミとして廃棄できるということで、スポーツ観戦や旅行などで人気になっていった。
近年の紙パック日本酒市場の拡大などを受け、紙への香り吸着と日本酒の劣化を防ぐ2重構造カップを採用し、さらに手に取りやすいデザインでリニューアルが決定した。
紙カップとPETカップを組み合わせた複合容器で、紙容器の内側にPET容器をセットし二重構造にすることで、紙への香り吸着と、日本酒の大敵である「紫外線」による劣化なども大きく防げるという。
今年の10月10日で発売60周年を迎える「ワンカップ」はロゴを前面中央にプリントし、紺色の背景と結び目で酒屋のモチーフである“前掛け”を表現し、レトロでありながらさらに手に取りやすいデザインになっている。