大漁を願って奉納される大まぐろ
1月8日、西宮神社に神戸市東部水産物卸売協同組合などから巨大なマグロが奉納される。
(注:写真は以前のものです)
午前9時半頃にトラックに乗せられた冷凍マグロがやってきて拝殿に供えられる。大きさは毎年少しずつ違うが、体長2.5〜3m、重量250〜300㌔の大物。刺身にすると約1300人分にもなるという。
最近は漁獲量規制でなかなか数も揚がらず、大きいサイズのものを入手するのがむつかしくなっており「良いのが揚がったら」と翌年の分を頼んでいるそうだ。
そうなると気になるのは値段だが、この質問には「奉納品だから」と残念ながら教えてもらえなかった。
また、マグロの前には一匹4キロほどもある雌雄の鯛も供えられ、こちらもなかなか立派なもの。
このマグロの奉納は大漁と商売繁盛を願って昭和45年から始まったもので、水産物組合の方は「大阪の今宮戎の宝恵駕籠(ほえかご)とならんで西宮戎の招福マグロは名物となったので、奉納をやめるにやめられない」とも笑っておられる。
2008年からは同市場の青果卸売協同組合なども奉納を行い、マグロの横に青果も供えられる。
小銭のうろこをまとった招福まぐろ
おはらいの後は、さっそくその場に居合わせた参拝者たちがさい銭を貼り付け始め、あっという間に「招福マグロ」としてすっかり定着した、うろこ状に小銭を身にまとったお姿となる。
8日に奉納して11日まで拝殿に供えられ、その後は解体され十日戎の関係者に配られるのであるが、芯まで凍っているので腐ることなく程よく解凍された状態になってゆくらしい。
ただ、表面の皮付近はよりやわらかくなるため、参詣者がさい銭を押し付けたり突き刺したりしたものが肉に深く食い込み、切り分ける時に包丁がそれにあたって刃を傷めることが困るそうだ。
地球環境の変化やマグロ漁の規制が言われる中で、今年はどんなマグロが奉納され、人々の注目を集めるのだろうか。