プラカードガール(開会式の式典誘導係)を担う市立西宮高校の女生徒たち
今年も暑い夏がやってきた。
西宮の夏は、甲子園球場で開催される夏の全国高校野球と共にあり、決勝戦とともに夏が終わる。
2018年は、そんな夏の高校野球大会が100回記念大会を迎える。
1924(大正13)年の第10回大会からは甲子園大運動場(現在の阪神甲子園球場)での開催となり現在まで続いている。
そして第二次世界大戦後、男女共学の思想により男子だけだった高校野球の場にも女子の参加をということで1949年(昭和24年)の第31回夏の大会から市立西宮高校(通称:「市西(いちにし)」)の女生徒が大会旗や歴代優勝校旗、出場校のプラカードを持つことになった。
終戦直後の困窮で、まだ制服を作ることすら困難だった頃だが、全国大会にふさわしくと
純白の帽子、白いブラウス、紺のスカートをそろえ、胸にはピンクのバラをつけたそうだ。
その年の優勝校は、神奈川県立 湘南高等学校。
その年から、現在まで市西の伝統として続いてきた式典誘導係(プラカードガール)の校内での選考風景や、グラウンドでの練習風景を取材させていただいた。
今は、1年生と2年生から募集しその中から選考されるが、歴代優勝校の校旗を持つ担当なども含めて126人の枠に、今年も約220人が応募した。
指導の先生から歩くリズムや姿勢などの諸注意を受けた後、体育館での選考会が始まった。約1週間後に結果が発表される。
選考会や練習現場には様々なメディアの取材も多く「姉妹で・・・とか、親子で・・・など」と毎年話題になることも多い。プラカードを持ちたいと入学する生徒もいるという。
出場校のプラカードを持つだけでなく、大会旗や歴代優勝校旗などを持つ係や抽選会で活躍する人など、幅広い活躍をする式典誘導係。練習に集まった生徒たちにまずは白い帽子が配られる。
「69回目の夏が始まりました。」という校長先生の挨拶を聞く生徒たちの顔も引き締まる。
今年も選考された生徒たちが、各役割に分かれて先生からの諸注意を受け夏の暑い日差しの中をグラウンドで練習に励んでいた。
本番前の練習は今日と明日の二日間だけで、後は開会式のリハーサルの日を迎えることになる。
出場校の先導役に目が行きやすいが、歴代優勝旗を持ち外野グラウンドに並ぶ生徒たちは、風によっては旗が体に巻きつくこともあり、辛抱が強いられる役割となるという。
サッカーの全国大会や科学の甲子園などの全国大会にも出場している文武両道の市立西宮高校。
今年(2017年)の夏の高校野球兵庫県予選では、ベストエイトまで勝ち残った野球部。
公立高校の県代表はなかなか高い壁かもしれないが、1963年の第45回大会に兵庫県代表として出場した市西が、再び県代表となり市西の女子の先導で歩く日が来ることも楽しみにしたい。
プラカードガールOGの活躍の記事はこちら➡︎
古い写真は西宮市情報公開課よりご提供いただきました。