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シニア海外ボランティア 仲誠一さん

 外資系の会社を56歳で早期リタイアした仲誠一さん。「第二の人生は、自分の好きに生きたい。」40歳後半から明確に持っていた夢を、JICA(国際協力機構)のシニアボランティアとしてバヌアツ共和国を舞台に実現の一歩を踏み出した。はつらつとした仲さんの元気の源、バヌアツについてお話を伺った。

サラリーマン生活30年の後、出会った楽園とは?

バヌアツ共和国1

大好きなバヌアツでの仲さんの表情はイキイキしている

 仲さんの原点は、1960年代の小田実の「何でもみてやろう」という本。若いときには、ヒッチハイクなども経験した一年半のヨーロッパの旅やグアム島での農業体験など、結構自由に生きた時期があったようだ。
 その後、外資系の会社に入りサラリーマン生活を30年。「自由な虫」がまた疼きだしたということか…。それにしても、なぜバヌアツ?? バヌアツって、どこ???

 バヌアツは南太平洋に浮かぶ島々の共和国。南北約900キロの83の島々。大きさは新潟県ぐらいという。人口約22万人。1980年に独立したとき現地の言葉で「我らの土地」を意味する「Vanuatu」に変わった。
 日本からの直行便はなく、オーストラリアやニューカレドニアなどで乗り継いで約16時間の旅。エファテ島にある首都ポートヴィラに入るのが一般的。
 ここバヌアツにはメラネシアの人々の4000年の文化が今でも残っている秘境の地も多い。「自然と共存した自給自足の生活を送る人達から、私たちが忘れかけていることを思い出させてくれる地なんです」と仲さんのバヌアツ熱はあつい。

シニア海外ボランティアとしてバヌアツ共和国へ

バヌアツ共和国2

この景色が気に入ってアパートメントを決めた。

 退職後、いろんなことに挑戦している時に再会した高校の先輩の話から、ジャイカのシニアボランティアのことを知り3度目の正直で試験をパスし、30年のサラリーマン時代の職種を武器に「観光」関係の人材募集をしている国々からバヌアツを選び、2005年10月から2年間の赴任を終えて帰国した。

 数ある国のなかで、どうしてバヌアツを選ばれたのでしょう??という問いかけに
 「基本的に寒いところは苦手なんです。短パン・Tシャツ・ゴムぞうりでの生活が大好きなんですが、夫婦で行くつもりでしたから勿論相談して決めましたよ。」
 「でも、行ってみて、本当にいい国だと思ってます。帰国はしましたが、これからは日本でバヌアツのために出来ることをしていきたいと思っています。」「まずは、日本の皆さんにバヌアツを知っていただきたいと思っているんです。そのためには何でもやりますよ(笑)」

バヌアツ共和国3

サントの町を行く内陸部の部族の男性

 例えば、ニューカレドニアへは、年間10万人の観光客が行くらしいが、そこから飛行機で1時間のバヌアツには年間600人という。(日本人観光客の数)「飛行機会社の政策的なものもあるんでしょうね。ニューカレドニアまでだと結構安いツアーがたくさんあるんですよ…」「赴任して、まず最初にやったのは、バヌアツにいるジャイカ関係の40人、現地に暮らす20人、合計60人の日本人からアンケートをとることからはじめましたよ。」
 バヌアツってどこにあるの??バヌアツに行くための情報はどこにあるの??旅行代理店はあるの??様々な声にこたえるような形で、日本国内で協力してくれる旅行代理店を探したり、詳しい料金表を作ったりということの整備から仲さんの活動が始まったようだ。

バヌアツ共和国は、「地球幸福度指標」第1位!

バヌアツ共和国4

いろんな部族に会いに行った

 2006年の「地球幸福度指標」で、178ヶ国中の1位が太平洋に浮かぶ小さな島「バヌアツ共和国」だったということで、脚光を浴びたこともあったようだが、「結局はね、人と人の繋がりなんですよ~。その繋がりから、バヌアツを知ってもらうことが一番だと思っています。」
 とにかく、自分の知っている人に、まずはバヌアツを知ってもらおうと赴任の2年間は、毎月1日の朝には日本に届くようにと、ご自身がつくられた「ヴァヌアツ通信」を計24号発行された。
 「でもね、お陰でその二年間で67人の人が来てくださったんですよ!!」「そんな人たちがまた、あちこちで写真展をしてくださったり…。そんなふうに、人と人で広まっていくのはうれしいですね。」

 「83の島々のうち、飛行場があるのは25くらい。22人乗りの飛行機ですが、舗装されているのは3つだけ。後は草原に降りるんですよ(笑)夜間降りれるのは2箇所だけです。後の島々は船で行きます。勿論、その小さな島から出たことのない人は非常に多いです。」
飛行機1

バヌアツ空港の滑走路は殆どが草原


飛行機2
 「ペニスサックだけで生活している部族もまだまだ多いのです。彼らは、違う世界があることも知りながら、“自分達の生活はこれでいいんだ…”ってはっきりしていますね。」「街の中を殆ど裸の人たちが歩いていることも珍しくない国なんです。とにかく、自分達の風俗習慣をかたくなに守っていこうとする部族も多いです。」

 「とはいえ、街は非常にきれいで近代的ですよ。私達は、入り江の向こうに街を望むような高台に住んでいましたが、それはきれいな眺望でしたね。車を持っていないから街まで45分歩きました。」
 バヌアツには113の言語があり、5キロ離れたら言葉が通じないと言われたらしい。そんな部族は一見、文明から取り残されているようでもあるが、ヨーロッパ文化ではなく、彼らの特有の文化の幹はしっかりしていて、完成されているのだと仲さんは言う。「ホームレス・餓死・いじめなどは全くありません。村のおきてさえ破らなければ一生平和に暮らせるんですよね~。」

帰国後は、物質文明について考えるようになってしまいましたね。

バヌアツ共和国5

たくさんの友人が、仲さんの宝物

 2年間のバヌアツでの生活を終えて帰国し、今は家の中の大掃除をしている…と笑う仲さん。「コッヘルワンセットがあれば生活できたんですよね。物質文明について考えるようになってしまいましたね…(笑)」
 「バヌアツにユックリ滞在して、ある意味反面教師ともいえる生活を楽しんで欲しいですね。」
 そのためにも…と、バヌアツで書きためた通信やあちこちの島の紹介、エッセーなどを本にするのが夢らしい。「自費出版できるほどの財力はないから、誰かこれに目をつけてくれないですかね~。」バヌアツを知ってほしいのだという仲さんの心が伝わってきた。

 バヌアツについては、聞きかじりの文章より、実際にみていただく方がいいと思い、後は仲さんのバヌアツ通信のホームページにお任せしたいと思う。通信のヘッドの写真の風景を2年間見て暮らしたという仲さん。きっと、ご苦労もいっぱいあったことだろうが、この風景と空気だけで優雅に暮らせたのだろうと思った。

 *仲さんのバヌアツ通信は こちら から…*

掲載日:2007年12月23日

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