提案サービスから制作・印刷・配送までを一貫して対応できるワンストップ体制の構築によるサービス品質の高さ
「90年の歴史・伝統を資産に“変化に対応できる”企業体質づくりの勢いを緩めることなくお客様と共に成長します。」の経営理念のもと、創意工夫を持って付加価値のある商品を提供し、印刷(情報)文化を通して社会に貢献することを経営方針としています。長年の歴史と経験による印刷技術の専門性の高さ及び提案サービスから制作・印刷・配送までを一貫して対応できるワンストップ体制により、あらゆるニーズに対して柔軟に対応できることから安全性及び信頼性を顧客から得ています。また、システム開発部を社内に持ち、ウエブサイト制作やインターネット技術を活用した業 務効率改善など、長年経験を積んだ提案力やお客様をサポートする企業体制を活かした様々なソリューション提案を行っています。
<取材記事>
1926年(大正15年)創業の90有余年の歴史を持つ印刷業の4代目の小西順三郎社長に、西宮市の優良事業所顕彰を受賞されたことでお話を伺った。
社長として陣頭指揮を執るようになった翌年が阪神淡路大震災だったという。
「郷免町にあった特殊印刷用の場所が被害を受けましたが、その他は致命的な被害はありませんでした。しかしあの大きな・重い印刷機が動いたのには驚きました。精密機械ですので、機械の調整だけで1週間かかりました。」
創業当初から最新の印刷技術の導入に積極的であったようで、1930(昭和5)年には業界に先駆けて当時の最新鋭印刷機『ハイデルベルグ プラテン全自動印刷機』をドイツから輸入したという。現在の本社1階に飾られている黒光りしたその機械は今でも印刷可能だそうだ。
不得意分野は他にアウトソーシングするのがこの印刷業界の常らしいが「小西印刷は違った。」と小西社長は語る。
「これまでもお客様第一主義を貫いて来た弊社は、業界の常識を超えて100%社内で完結してきました。また他より早く新しい機械を入れたり、電子帳票印刷に取り組んだり・・・と、常にお客様のニーズをいち早く把握しながら技術面で応えてきました。」
印刷のパーソナル化・カラー化というすさまじい技術革新の時代に突入している昨今は、まさにその昔グーテンベルグがワインの絞り機を使って活版印刷機を始めた頃に匹敵するのではないかと小西社長は言う。
「この業界でいうと機械の大型化、そして内製化は一旦落ちついたのかもしれません。パソコンの普及で製販というノウハウも一般化してきており、小ロット多品種のニーズを今の大型プリンターがどこまで対応していくのか??そこの動きをきちんと見極めないといけない時期がもうすぐやってくるように思います。」
だからこそ、社内に企画部門をきちんと立ち上げ、優秀な外の人材も含めてクライアントへの提案サービスから、製作・印刷・配送までを一貫して対応できるワンストップ体制を作り上げてきた。
「データをお預かりしたりしていますと、そのデータと他のデータがうまくつながっていないことに気づいたりします。そんなところからITを活用した業務効率の改善などのご提案に発展していくことも多いですね。」
毎年クリスマスに飛び出すカードを贈っていた社長が、ある展示会でベトナムの会社の存在を知り業務提携の話が始まったという。
それが『WAO!POP』(商標登録申請中)という新しい商品。飛び出す絵本のようなグリーティングカードだ。
実に細かい描写がカットされ、それが滑らかに畳まれ、また滑らかに飛び出してくるカードを見せていただいて驚いた。
レーザーカッターを駆使して切られた細かいパーツを人の手で組み立てているという。「ベトナムの人は本当に手先が器用なんです。」
使われている紙の選定や糊の開発なども含め、企画と開発は小西印刷が行い、生産はベトナムの会社に委託して大量生産できる体制も整ったようだ。
「紙に関わる物販を手がけたかった」という小西社長の思いから生まれた商品。
「これからも紙に関するモノづくりから、お客様のサポートまで様々なソリューション提案を行っていきます。これまで以上に高品質・ハイスピードな価値創造にこだわって大きなシナジーを生み出すことが私たちの使命と確信しています。」