辰馬本家酒造株式会社(白鹿)

優良事業所

優れた技術の応用力ニシノミヤ テック プライズ2017

「丹波杜氏が積み重ねてきたかけがえのない技術と最新のバイオテクノロジーを一体化させた『六光蔵(ろっこうぐら)』における酒造り技術」

受賞事業所概要

創業350年以上の業歴をもつ伝統企業であるが、その伝統に甘んじることなくいつの時代も先取の精神を持って、時代時代の技術と情熱を酒造りに傾注しています。
同社は酒造りの複雑な工程を自動化した設備と手造り蔵を同じ建物の中に備えた酒蔵である『六光蔵(ろっこうぐら)』を1993年に完成させました。『六光蔵(ろっこうぐら)』での酒造りは日本酒の製造工程において厳密な管理が要求される温度管理、時間管理、水分管理といった技術やノウハウを全て最新の技術で置き換え、丹波杜氏が積み重ねてきた技術と酒造りの複雑な工程を自動化する設備を共存させ、伝統の継承と技術への挑戦をおこなっています。


1993年に完成した『六光蔵』は、その前年の辰馬本家酒造330周年に合わせて進出したアメリカ工場での、オペレーションシステムが基礎になっている。現地従業員でも日本酒造りができるようにするために、丹波杜氏が積み重ねてきた技術を自動化したシステムだ。

その頃すでに丹波からの出稼ぎ杜氏の確保がだんだん厳しくなってきていたこともあり、コストダウンも考えて人手をかけずに行う酒造りを目指し、精米工場と酒蔵を一体にした『六光蔵』が完成した。「踏み切るまでは、社内でも喧々諤々でした。」と当時を振り返る。
辰馬本家酒造

「『先見の明があった』といわれることもありますが、『六光蔵』完成の2年後にあの大震災が来るなんて考えてもいませんでした。」
『六光蔵を建てる』と決まり、その場所をどこにするのかを考えたとき、生産性は少し劣るが絵になる(風景になる)双子蔵を残し、一番いい酒ができる14番蔵あたりを潰して建て替えた。しかしその後の大震災は、絵になるはずだった双子蔵を含む、すべての木造蔵やレンガ蔵を倒壊させてしまった。

「今ではほとんどの蔵元が工場生産となり、外から見れば装置産業のようになってしまっていますが、『六光蔵』の中には手作りで少量を作るスペースも内蔵しています。」昔は一つ一つの蔵に杜氏が居て、その蔵ごとに麹菌が住み各蔵の味があり、それらをブレンドして白鹿の味を作っていた。そんな大切な蔵が壊滅し、酒蔵の景色や文化が見えにくくなって来ていることがとても残念そうだった。

しかしそんな大きな被害の中でも、大正6年に建てられ平成11年まで本社事務所として使用されていた宜春苑は倒壊を逃れた。手作りの歪んだガラスも割れなかったという建物は、平成19年に曳家され今では本社横でレセプションホールとして使われている。
辰馬本家酒造

建物は様変わりしたが、麹と酵母を使って米をいかにうまい酒にするかという基本は、『育てる』という白鹿の企業理念として今も引き継がれている。「外から見ると、自動化されてしまっている産業という印象を持たれるかもしれませんが、発酵という作業の中では人の力・工夫が大きな役割を占めます。」と辰馬健仁社長は話す。
蔵で働く人数は大幅に減ったとはいえ、精鋭の技術者が日々の微妙な違いを肌に感じ、機械の調節を行っている。

日本酒離れが叫ばれている昨今、出荷量減少は辰馬本家酒造も例外ではない。
辰馬本家酒造

「発酵というキーワードが近年とても注目されています。発酵食品の文化は長寿大国日本の原点です。米を発酵させる技術や装置を持っているということは、これからの強みになっていくと思っています。」

美味しい日本酒を作るだけでは白鹿ファンを繋ぎとめるのは難しいし、ファンを増やすのはもっと難しい。裾野を少しでも広めるためにはもう一歩先を見て、改めて『嗜好品の酒』だからこそ『米を酒に!』ではなく『米を笑顔に!』をモットーに夢を描きたいという言葉が印象的だった。その想いは、昨年リニューアルオープンした『白鹿クラシックス』のコンセプトにも脈々と流れている。

辰馬本家酒造

和食だけではなく洋食にも合う日本酒を考えたとき、容器のデザインも重要になる。

しかし世界中のセレブが愛し、島全体が世界遺産に登録されているスペインのイビサ島で『黒松白鹿』が人気だということを聞き現地に行ってみて驚いたという。

 「日本酒を注文すると『ストレートorカクテル??』といきなり聞かれまして(笑) 両方頼むと、ショットグラスに1杯の酒とSakeピリーニャ(ブラジルのカイピリーニャの日本酒版)が出てきました。そこには弊社の昔ながらの黒松白鹿のラベルを目の当たりにし、海外で日本酒が楽しまれているシーンを驚きながら体験してきました。」
辰馬本家酒造

この時の体験は、改めて『嗜好品の酒』を飲むシーンを提供しようとしていた流れを後押しした。須磨海岸での『白鹿ハイボールスパーク』や最近話題になりつつあるグランピングなど『ソトノミ=外飲み』を積極的に提案している。

かつての花見酒・月見酒・雪見酒など・・・四季を楽しみつつ旬の食べ物と美味しいお酒の楽しみ方を現代風にアレンジして提案していく挑戦が続く。

(注)『六光蔵』に関するあたりのお話は、辰馬章夫相談役にお聞きしました。

辰馬本家酒造辰馬本家酒造

辰馬本家酒造株式会社

住所:兵庫県西宮市建石町2番10号

電話:0798-32-2761

代表取締役社長 : 辰馬 健仁

ホームページ:http://www.hakushika.co.jp/

著者 : 編集部|tacoo

投稿日時 : 2018-02-21 18:54:47

更新日時 : 2018-03-02 10:28:00

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