株式会社山澤工房

株式会社山澤工房

優れた技術の応用力ニシノミヤ アプライド プライズ

クラウドを利用し、受付から出荷完了までを一元管理できる修理品管理システムの構築と30年以上のスーツケース等修理経験からなる高い技術

受賞事業所概要

創業37年、国内最大規模の鞄修理工場を持ち、30年以上に亘り、かばんの修理を手掛けています。その範囲はスーツケースからビジネスバッグ、ハンドバッグ等、かばん全般にわたり、長い年月で培われた樹脂加工技術・塗装技術など鞄修理に必要な様々な技術は、完全にオリジナルであり、あらゆる修理に対応可能な体制を整えています。
また、自社で開発した高機能な修理品管理システムは、受付から見積り、進捗管理や顧客対応など、受注から納品、請求まで効率性の高いスムーズな対応を作り出しています。
IT技術を利用した工程管理と鞄修理職人の高い技術に満足することなく、現在も新たな修理技術の開発にチャレンジしています。


山澤 高明 社長

山澤 高明 社長

新聞記者だったお父様が、旅行用品のレンタル業を始められたのが今から37年前。
「レンタル業には修理が付いて回ったようです。その都度、メーカーに修理に出すのですが時間がかかったり、満足のいく修理でなかったりということも多かったと聞いています。」そして昭和57年には修理部門を立ち上げ、これが今の山澤工房の原点となっている。
その後、山澤高明社長が会社を継ぐことになり、IT業界で働いていた弟さんとの二人三脚。「保険会社やメーカーなどが主なクライアントで、特に保険会社の場合は修理の過程や現状写真・進捗状況・納期予定などを必要とされます。SEだった弟が開発した、商品の受付から納品までを管理する自社システムも構築し、保険会社には管理番号を打ち込んでもらうことでクラウド上にある情報を瞬時に確保してもらえます。」

毎日、大量のカバンが入院し、たくさんのカバンが退院する

毎日、大量のカバンが入院し、たくさんのカバンが退院する

山澤工房のホームページを開けると、たくさんの修理の事例写真や無料の修理仮見積もりができるページなど、全国各地からの修理依頼を意識した作りになっている。
年間で約2万件、常時1000件くらいの修理を抱えている会社だからこそ、保険会社への対応だけでなく修理の予測作業時間や見積もりの自動化が必要なのだろう。
「自動車メーカーなどのような自動見積もり化を目指したいですね。」と山澤社長。

車と同じ塗料で、そのカバンにあった色を作る

車と同じ塗料で、そのカバンにあった色を作る

しかし一口にカバンと言っても、主要なメーカーだけでもたくさんあり、その中でもまた素材も形も大きさも用途も違う。さらに同じ素材でも修理の部位は様々。キャスターの取り替え、取手の修理、ファスナーの付け替え、ボディの傷や凹み、破れ、変形・・・・・・・・・。これらをデーターベース化して自動化を目指したいというのは、並大抵なことではないだろう。


へこんだ部分も症状に合わせて修理

へこんだ部分も症状に合わせて修理

「カバンの修理を弊社のように組織だってしているところは少ないと思います。この分野のパイオニアだという自負を持って、自分たちがこれまで培ってきた技術やシステムを確立しつつ、日本人の細やかな技術やサービスで、今後は世界も見据えていきたいと思っています。そのためにも高機能な修理品管理システムがますます必要になると考えています。」


皮のカバンは、一度解いて・・・・

皮のカバンは、一度解いて・・・・

工房内には、修理職人にそれぞれ独立したブースが割り当てられていて、そこには「◯◯工房」と個人名の看板が上がっている。ここでは引き受けてから仕上げまでを一貫して一人の職人が担当する形をとっている。こういう遊び心ある工夫は職人のモチベーションが上がるだろう。
例えば、鏡面加工されたポリカーボネイト製のスーツケースなどの色補修の作業場は、まるで小さい自動車の修理工場。車用の塗料がずらっと並んでいて、場合によってはその色調整だけで数時間かかることもあるという。
毎日、80〜100以上のカバンが持ち込まれ、それと同じぐらいのカバンが修理されて返っていく工房内だが、とても整理されていて静かな雰囲気。

捨てればゴミ、分別すれば資源

捨てればゴミ、分別すれば資源


使える部品は引き取った廃棄するカバンから取って使うこともある。修理不能なカバンをそのまま廃棄すれば産業廃棄物。しかし、細かく分解・分類して素材ごとにまとめていけば大切な資源となる。この大変な作業をハンディキャップを持つ地域の作業所の方々が支えてくれる。
「これからは技術やノウハウも伝えていける会社にしたいと思います。今は使い捨ての時代ではないと思います。最近、弊社で修理し生まれ変わったスーツケースを販売する事業も始めました。ホームページでも見ていただけますので、これも選択肢の一つにしてください。」と山澤社長。

株式会社山澤工房

株式会社山澤工房株式会社山澤工房

代表取締役 :山澤 高明
住所:兵庫県山口町名来2丁目18-25
電話:078-597-6166
ホームページ: http://yamazawa-kobo.com/

投稿日時 : 2017-01-18 18:06:59

更新日時 : 2019-02-06 05:26:09

この記事の著者

編集部|tacoo

こちらの記事もおすすめです

西宮流 (にしのみやスタイル) の新着記事