長年の樹脂製品の開発経験を活かして、独自の立体デジタル技術を応用したユニークな商品開発
昭和60年創業以来、鳥害対策一筋で歩んできたことにより培われた実績と経験より製作されるオリジナル製品は、他社にはない製品です。開発された製品は、オール樹脂製品として安全かつ現場での高い加工性が支持され、樹脂製剣山市場のスタンダードとなりました。他にもあらゆる現場で使用可能な金属製各種クランプ等、樹脂製品・金属製品両方の設計開発を行なっており、ニッチな鳥害市場に於いて、老舗メーカーとして独特のポジションを築いています。
また、創業理念である「独創性第一の精神」より開発された飛び出すペットフォトは、従来、平面でしか鑑賞できなかった愛犬や愛猫の写真を、完成度の高い立体的なペットフォトとして制作することにより、新しい愉しみ方の提案と新市場の創造を目指しています。
鳥よけのこんな商品を見られた方は多いのでは??
そんな鳥害対策の商品一筋で歩んできた会社が、西宮市山口町にある。
「私が中学生の時、父が突然独立を宣言したんです。会社を辞めて、鳥よけの商品を作る会社を立ち上げるぞ!って。思い込んだら一途な父なんです。」と苦笑いで話してくれたのは、その事業を引き継いだ息子の山本剛司社長。
「その頃大阪城の近くに住んでいたんですが、毎朝早く、板に五寸釘を並べた様なものを持って出かけて行ってましたね。3ヶ月ぐらい、何してるんだろう??って思ってましたが、試作品を見てこれだったのか!!って思いましたね(笑)」
驚きながらも、お母様は「宏友」という会社名を考え、中学生だった剛司社長はカタカナでコーユーのロゴを作った。昭和60年の事だった。
「中学から高校の頃は、学校から帰ると電話番をしたりしていました。以来、この会社は私にとっては兄弟のような感覚です。」
鳥害の商品販売といっても、コーユーが製造機械を持っているわけではなく、コーユーが営業活動しているわけでもないという。
工事のプロの業者の間で口コミで商品が広がり、またそういうところから改良版の要望があって、それに答えて次の製品ができるというサイクルが作り上げられてきたという。
「ちょっと変わった、スパイスの効いたオリジナリティのある商品なら、自分で売れていくんです。」
なんだか不思議な感じがするが、それほどお父様の最初のひらめきが的確だったということだろう。
「これからも開発に特化したいと思いますし、会社はできるだけコンパクトにしておきたいと思っています。」
とはいえ、20年で特許が切れると次々と類似品が出てくるが、類似品は品質などで全く違うものだという。コーユーが目指すのは、あくまでプロが安心して使えるもの。
「一つの商品の寿命は30年くらいだと思っていますが、最近の時代の流れはもっと早くなっているのかもしれません。いつまでも鳥対策だけはダメだなと、ここ数年思っていましたが、その次の商品がなかなか見つかりませんでした。」
次の商品のきっかけになったのが愛犬チワワ・ナナちゃんの死だったという。心臓病があったナナちゃんが9歳で亡くなった後のペットロスからひらめいた!!
「ペットの写真を立体にできたら、喜ばれるんじゃないか・・・・??」
そこから試行錯誤が始まった。これまでの製品で培ったプラスチック樹脂のノウハウを駆使して社員全員がそれぞれの特技を持ち寄っての挑戦だった。プラスチック樹脂の特殊加工で目や鼻は濡れているようなツヤツヤ感。こうして出来上がったのが『飛び出すペットフォト ぽぺっと(Poppet)』
完成してプレスリリースを出したらネットニュースにもなって大反響となり、2016年1月に『となりの人間国宝』で紹介されると、注文が殺到したという。まさにテレビの力は大きく、「オリジナリティがあれば商品は売れる!」ことが証明された。
1月のテレビ放映の後舞い込んだ注文が一段落したのが、なんと8月だったというからすごいが、一点ずつの手作業ということを考えたら納得。
送られてくる写真を加工して作品にする元画像を作り、そこでお客様とやりとりする。 GOがでたら制作に入っていくというが、見せていただいた飛び出すペットレリーフのリアルさには本当に驚いた。
送られてくる画像によっては、断念せざるをえないこともあるというが、それぞれに個性がありその個性を魂を込めて再現するのは楽しい作業だと山本社長。
「これからも、驚きや感動を与えられるような商品を考えていきたいですね。」